今日で2019年も終わります。
このテーマも一旦閉めたいと思います。
「管理不全マンション」なんだか暗い話題で、末期の癌のように、もう将来のない姿だと感じられる方も多いと思いますが…
でも、今の自分のマンションが「管理不全」の状態に陥ってしまったのか、いや、「健全」なのか、という問題ではないのです。現実には、この二つの状態にはっきりとした境があるわけではありません。「健全」と思われているマンションでも、「管理不全に至る初期症状」が現れ始めているマンションも実は多いのです。ですが、この状況のうちは、そのマンションの住民の皆さんが気がつきさえすれば、容易に、そして2~3年の短期間で完全に回復できます。気がつかないうちに…、ということもあります。
「管理不全マンション」の初期症状のうちは
人間の癌などと同じで、気がつかないけれど、検査の数値が悪いから…
でも初期のうちに気がつけば(あるいは生活パターンを変えるだけで自然に)、容易に完治してしまうものなのです。
重度の「管理不全マンション」の状態に陥ると、確かにそこからの回復は大変で、「暗く」で「重い」話になってしまいますが、
「管理不全マンション」に陥らないようにすること、あるいは、管理に問題を抱えるようになった気がするマンションが、そこから脱却しようと「積極的に」考えることは、実は、「後ろ向き」の話ではなく、自分自身のマンションの将来を真剣に考え、そして、将来の「住みよい」そして「そこに住みたいという人が多くいる」(人気がある)マンションを創る、「前向き」の、「将来に夢のある」話なのです。
まだ「管理不全」に陥っていない(と思える)から安心、何も対策を考えなくてもいい…、そして、そう後任の役員に受け継いでいけばいい。と考えたら、現実にはかなりな確率で、遠くない将来ほぼ確実に「管理不全」になるのでしょうが、
来年も、いや10年後も、「自分のマンションは自分たちで」ちゃんと考えて、健全に運営していこうと、多数の住民(区分所有者)が考えるようになりさえすれば、
きっと、10年後も20年後も「すばらしいマンション」であり続けることができると思います。(その年の役員の方だけのことではありません)
そうです。人間の健康管理と同じように、日頃の意識と努力しかないのですが、これを「負担」ではなく「自然に」できるようにすることが、「管理不全に関係のない」「住みよい」マンションを作ることにつながるのです。
このために必要なことは、区分所有者の皆さんが、日頃から、ごく自然に、マンションの将来について語り合える場を備えることです。他に必要なことはないかもしれません。「安心」なマンションは、管理会社や管理員の方が作ってくれるものではありません(もちろん影響力はありますが)。
区分所有者の皆さんが自分たちで考えることが大切なことなのです。
皆さんも、明日から良い年でありますように…、そして長く続かれますように…
2019年12月31日火曜日
2019年12月3日火曜日
豊かなマンションライフのイメージ(管理不全への不安の払拭④)
マンションは「区分所有」という一つの所有関係です。ですが、日本の現状でのストックは650万戸以上。もはや「特別な」所有関係ではありません。そして、マンションの建物は区分所有部分だけではなく共有部分も相当に存在します。ここまでは、マンションを所有されている方は理解されています。
ですが、権利関係についての理解が十分でないから、マンションの所有(居住)は、コストの安い賃貸(レンタル)だと考えてしまうのです。
確かに、不動産の取引(価格設定)においては、原則として建物の価格は全て、その建物の区分所有部分の価格として分けられています。共用部(規約共用部は少し違います)は原則として単独で取引されない以上、当然、そこに建物の価値の一部を割り当てることはできません。このためですが、でも、現実に共用部に価値が無い訳ではありませんよね。
そして、土地(共有)の価格についても、多くはここに分割して付加されています。土地を単独で取引することができない以上、今の日本の常識では「価値0」ですから。
この「価値0」は、単独で取引ができないからの「価格0」であって、本当に建物共用部や土地が「0円」の価値しかない訳ではなく、これが、区分所有建物の価格を作っているのだということは再認識して欲しいと思います。そして区分所有部分の価格形成のうちの結構大きな割合を占めていると思います。
ですので「共有建物と敷地の管理」という活動(管理組合の目的)は、マンションの区分所有者にとって、他人の財産の面倒な管理作業を引き受けているという事ではなく、自分の大切な財産(区分所有不動産)の価格の大きな部分を保つ(というか形成する)活動をしているという意識を強くしないといけません。そして、この「管理」を他の区分所有者を含め他人に任してしまう(いろいろな作業を依頼するということではなく「意思決定」を、です)ということは、「財産を持つ人」は決してやってはいけないことです。もちろん、この立場をしっかりと理解して、他人に「委任」するのは自由ですが、これは「他人事」ではないということです。
もちろん、立場を変えて、管理組合の役員を引き受けている人たちにとっては、マンション管理のすべての決定権を委任されているのではなく、各区分所有者の各人の意思決定(基本は多数ですが)に従って、様々な管理についての「決定」を行わないといけないのです。そして、この組合員の意向は、時とともに大きく変化もしています。昔のように、「不動産は何もしなくても価値がある」という状況ではなくなっています。安易に10年以上前の規約に準拠しようとしたり、設備や環境の現状維持だけを考えていたら「負の価値」にもなる可能性があります。
こういった認識を、区分所有者のほぼ全員が持ち、その意向に従って管理組合の役員がしっかりと管理すれば、多分「管理不全マンション」と呼ばれることはないでしょう。管理組合の役員はスーパーマンではありません、神様でもありません。別に普通の人です。特に特別な「資格」ではありません。何もしなくて組合員の多数が納得できる「提案」も「決定」もできるわけがありません。もちろん管理会社に丸ごと頼めばいい訳でもありません。
そうです、組合員全員が自分のできる範囲で「管理」に積極的に参加して(いまはネット参加も当然「あり」です)、意見交換し、必要なことを行っていく。目先の利益追求(高齢の区分所有者が「あと5年暮らせれば、あとは知らない」などと堂々と主張することも含め)や、自分だけの抜け駆けは許されない。この意識さえ保てれば、おそらく模範的な「適正管理のマンション」を実現できるでしょう。必要な情報開示と、他のマンションとの意見交換も自然にできるようになります。なぜって?「自信を持って誇れるマンション」だからです。当然ですが、役員の人材も現れてくるでしょう、そんなに負担を感じないで務まるはずですから。それでも、自信がなければ、外部の専門家に意思決定の支援に加わってもらうのも一案になりますが…
ということで、少し長くなりましたが、今日は…
ですが、権利関係についての理解が十分でないから、マンションの所有(居住)は、コストの安い賃貸(レンタル)だと考えてしまうのです。
確かに、不動産の取引(価格設定)においては、原則として建物の価格は全て、その建物の区分所有部分の価格として分けられています。共用部(規約共用部は少し違います)は原則として単独で取引されない以上、当然、そこに建物の価値の一部を割り当てることはできません。このためですが、でも、現実に共用部に価値が無い訳ではありませんよね。
そして、土地(共有)の価格についても、多くはここに分割して付加されています。土地を単独で取引することができない以上、今の日本の常識では「価値0」ですから。
この「価値0」は、単独で取引ができないからの「価格0」であって、本当に建物共用部や土地が「0円」の価値しかない訳ではなく、これが、区分所有建物の価格を作っているのだということは再認識して欲しいと思います。そして区分所有部分の価格形成のうちの結構大きな割合を占めていると思います。
ですので「共有建物と敷地の管理」という活動(管理組合の目的)は、マンションの区分所有者にとって、他人の財産の面倒な管理作業を引き受けているという事ではなく、自分の大切な財産(区分所有不動産)の価格の大きな部分を保つ(というか形成する)活動をしているという意識を強くしないといけません。そして、この「管理」を他の区分所有者を含め他人に任してしまう(いろいろな作業を依頼するということではなく「意思決定」を、です)ということは、「財産を持つ人」は決してやってはいけないことです。もちろん、この立場をしっかりと理解して、他人に「委任」するのは自由ですが、これは「他人事」ではないということです。
もちろん、立場を変えて、管理組合の役員を引き受けている人たちにとっては、マンション管理のすべての決定権を委任されているのではなく、各区分所有者の各人の意思決定(基本は多数ですが)に従って、様々な管理についての「決定」を行わないといけないのです。そして、この組合員の意向は、時とともに大きく変化もしています。昔のように、「不動産は何もしなくても価値がある」という状況ではなくなっています。安易に10年以上前の規約に準拠しようとしたり、設備や環境の現状維持だけを考えていたら「負の価値」にもなる可能性があります。
こういった認識を、区分所有者のほぼ全員が持ち、その意向に従って管理組合の役員がしっかりと管理すれば、多分「管理不全マンション」と呼ばれることはないでしょう。管理組合の役員はスーパーマンではありません、神様でもありません。別に普通の人です。特に特別な「資格」ではありません。何もしなくて組合員の多数が納得できる「提案」も「決定」もできるわけがありません。もちろん管理会社に丸ごと頼めばいい訳でもありません。
そうです、組合員全員が自分のできる範囲で「管理」に積極的に参加して(いまはネット参加も当然「あり」です)、意見交換し、必要なことを行っていく。目先の利益追求(高齢の区分所有者が「あと5年暮らせれば、あとは知らない」などと堂々と主張することも含め)や、自分だけの抜け駆けは許されない。この意識さえ保てれば、おそらく模範的な「適正管理のマンション」を実現できるでしょう。必要な情報開示と、他のマンションとの意見交換も自然にできるようになります。なぜって?「自信を持って誇れるマンション」だからです。当然ですが、役員の人材も現れてくるでしょう、そんなに負担を感じないで務まるはずですから。それでも、自信がなければ、外部の専門家に意思決定の支援に加わってもらうのも一案になりますが…
ということで、少し長くなりましたが、今日は…
2019年11月3日日曜日
豊かなマンションライフのイメージ(管理不全への不安の払拭③)
前の文章では、マンションライフは「コストの世界」ではなく、そこに暮らす、そして、そのマンションを持つことの価値を見い出して、そして、それを高めることができれば、
マンションの人気も上昇し(もちろん実現できたマンションだけですが…)、価値も上がる、というか「適正に」維持できるはず、と書きました。
もちろん、ここには、新築物件を少しでも売りたい業者のみなさんの中に、意識はしていないけれど、結果的に邪魔をしているケースが…、という現実もありますが。
たとえば、不動産を取引される方の中には、今でも「修繕積立金が安い」ことを、「いいこと」のように言っておられる方がいらっしゃいます。ですが、その方々は、そのマンションの修繕積立金の残高の開示はせず(求めず)、長期修繕計画も詳細は知らせない、というのが実態でしょう。でも、このことは、実はそのマンションのポリシーにあえて蓋をして、見かけの、現在(だけ)のランニングコストだけで物件を売ろうという姿勢だけなのです。もちろん、中古の市場では、ここの購入者の層は一次取得というか初めて住宅を買う層(少なくとも理事とかを意識して務めたことがない人たち)が多いのではと思いますが。そして、他方で、売却される方にはそれより高級な新築のタワマンなどをはめ込めれば、得られる利益は??
でも、これが、この売買のどちらの層にも、「マンション所有」を「レンタルの延長」として、積極的に管理に参加せずとも、「上手に渡って(買い替えて)行けば理想的な生活ができる」というような「誤解」を育ててしまうのです。
たとえば、この「修繕積立金の水準」にしても、ちゃんと、「毎月の積立金額」「マンションの棟全体の積立金残高」「最近の大規模工事の実績」と、その関連、そして、そのマンションの建物設備の維持にかかるポリシーを示して、売買ができるようになれば(価格にも反映できれば)、当然に管理状況が重要な事、そして、区分所有者の管理への参加意識の重要性が、マンションに住む(あるいは買おうとする)世代の人たちに浸透し、それが、その後の安定した管理ができるマンションにつながる、と考えるのですが…
先日公表された、住宅・土地統計調査(平成30年)では、全国の空家率は13.6%(7軒に1軒)そして、空家とカウントされる条件はかなり絞られていて。田舎の戸建てに限らず、大都市近郊や都心部にもそれほど大きな差はなく分布しているようです。もちろん、賃貸、高経年の比率が高いようですが…
結果として、「長くは持ちたくない」マンションには、多くの空家が生まれてしまいます。設備的に、生活水準についてのアップデートができていなければ当然ですが…
そうです、現実にマンションの適切な管理の大敵は「空家」です。それも所有者との連絡が取りづらい…。これを少しでも避けられるようなプランなどを、これから、書いていきたいと思います。
マンションの人気も上昇し(もちろん実現できたマンションだけですが…)、価値も上がる、というか「適正に」維持できるはず、と書きました。
もちろん、ここには、新築物件を少しでも売りたい業者のみなさんの中に、意識はしていないけれど、結果的に邪魔をしているケースが…、という現実もありますが。
たとえば、不動産を取引される方の中には、今でも「修繕積立金が安い」ことを、「いいこと」のように言っておられる方がいらっしゃいます。ですが、その方々は、そのマンションの修繕積立金の残高の開示はせず(求めず)、長期修繕計画も詳細は知らせない、というのが実態でしょう。でも、このことは、実はそのマンションのポリシーにあえて蓋をして、見かけの、現在(だけ)のランニングコストだけで物件を売ろうという姿勢だけなのです。もちろん、中古の市場では、ここの購入者の層は一次取得というか初めて住宅を買う層(少なくとも理事とかを意識して務めたことがない人たち)が多いのではと思いますが。そして、他方で、売却される方にはそれより高級な新築のタワマンなどをはめ込めれば、得られる利益は??
でも、これが、この売買のどちらの層にも、「マンション所有」を「レンタルの延長」として、積極的に管理に参加せずとも、「上手に渡って(買い替えて)行けば理想的な生活ができる」というような「誤解」を育ててしまうのです。
たとえば、この「修繕積立金の水準」にしても、ちゃんと、「毎月の積立金額」「マンションの棟全体の積立金残高」「最近の大規模工事の実績」と、その関連、そして、そのマンションの建物設備の維持にかかるポリシーを示して、売買ができるようになれば(価格にも反映できれば)、当然に管理状況が重要な事、そして、区分所有者の管理への参加意識の重要性が、マンションに住む(あるいは買おうとする)世代の人たちに浸透し、それが、その後の安定した管理ができるマンションにつながる、と考えるのですが…
先日公表された、住宅・土地統計調査(平成30年)では、全国の空家率は13.6%(7軒に1軒)そして、空家とカウントされる条件はかなり絞られていて。田舎の戸建てに限らず、大都市近郊や都心部にもそれほど大きな差はなく分布しているようです。もちろん、賃貸、高経年の比率が高いようですが…
結果として、「長くは持ちたくない」マンションには、多くの空家が生まれてしまいます。設備的に、生活水準についてのアップデートができていなければ当然ですが…
そうです、現実にマンションの適切な管理の大敵は「空家」です。それも所有者との連絡が取りづらい…。これを少しでも避けられるようなプランなどを、これから、書いていきたいと思います。
2019年10月18日金曜日
巨大台風とマンション
先月とこの10月12日、続けて巨大な台風が首都圏を通っていきました。
運悪く、水害や停電の被害に遭われた方々には、心からお見舞い申しあげます。
強風についても、住宅に中にいても恐ろしかったと思います。
マンションは災害には強いと言われています。
確かに地震や、強風に対しては、そして経年の浅いマンションでは、
間違いなく、木造の戸建て住宅よりは強いと思います。まあ、コンクリートですから当然です。が、これはあくまでも「建物」の話です。
ただ、マンションは生活の場であって、仮に建物(躯体)が無事であったとしても、そこで普通に生活ができなければ、「ただの箱」の価値になってしまいますね。
そして、特に先日の台風では、東京近郊でも多くで浸水被害があり、そして、強風などによる広範囲の停電が発生しました。特に高層のマンションでは、その影響が大きかったと思います。
以前から、大雨で地下にある駐車場に水が入って…
ということは時々起こっていました。
今回は、「浸水」ですが、部屋の中に水が入ってきたという所はほぼなかったはずで、数時間後には水は引いて、建物の出入りはできるようになったところが多かったと思います。しかし、今回の問題は停電でした。もちろん途中の送電線が…
ということで、一体が停電し、長時間… という所も多くありました。
イメージでは、マンションには非常電源設備もあるので、まあ、電灯は点き、エレベーターも基数はともかく、それほど困らない…
そして信じておられた方が多いと思います。
ただ、今回話題になったのは、憧れのタワーマンションです。
付近が浸水し、マンションの中にも水が入ってきました。そして、地下にあった電気設備も水に沈み、そう壊れてしまいます。
高層マンションでは、高層階に水を揚げるためにも「電気」は今や必須です。そして、命の綱のエレベーターが全く動かなく…。もちろん非常照明も時間が経てば…
そうです、高層階で、水は出ない。外に出ようとしても30階以上を階段で…
どうだったでしょうか。「階段」と言っても、目的は非常階段で普段は、1~2階の移動にしか使わない。そもそも他の階の人との付き合いはないから、使ったこともなかった、と
そのうち、携帯も使えなくなると…
たとえば、これが1週間続いたら…、まあ住まれている方は、何が必要なのかを、今回被害に遭われた方にはお分かりいただいたと思いますが、幸運にも被害に遭わなかった方(もちろん圧倒的に多数ですが)も、この機会に、一度考えていただければと思います。
運悪く、水害や停電の被害に遭われた方々には、心からお見舞い申しあげます。
強風についても、住宅に中にいても恐ろしかったと思います。
マンションは災害には強いと言われています。
確かに地震や、強風に対しては、そして経年の浅いマンションでは、
間違いなく、木造の戸建て住宅よりは強いと思います。まあ、コンクリートですから当然です。が、これはあくまでも「建物」の話です。
ただ、マンションは生活の場であって、仮に建物(躯体)が無事であったとしても、そこで普通に生活ができなければ、「ただの箱」の価値になってしまいますね。
そして、特に先日の台風では、東京近郊でも多くで浸水被害があり、そして、強風などによる広範囲の停電が発生しました。特に高層のマンションでは、その影響が大きかったと思います。
以前から、大雨で地下にある駐車場に水が入って…
ということは時々起こっていました。
今回は、「浸水」ですが、部屋の中に水が入ってきたという所はほぼなかったはずで、数時間後には水は引いて、建物の出入りはできるようになったところが多かったと思います。しかし、今回の問題は停電でした。もちろん途中の送電線が…
ということで、一体が停電し、長時間… という所も多くありました。
イメージでは、マンションには非常電源設備もあるので、まあ、電灯は点き、エレベーターも基数はともかく、それほど困らない…
そして信じておられた方が多いと思います。
ただ、今回話題になったのは、憧れのタワーマンションです。
付近が浸水し、マンションの中にも水が入ってきました。そして、地下にあった電気設備も水に沈み、そう壊れてしまいます。
高層マンションでは、高層階に水を揚げるためにも「電気」は今や必須です。そして、命の綱のエレベーターが全く動かなく…。もちろん非常照明も時間が経てば…
そうです、高層階で、水は出ない。外に出ようとしても30階以上を階段で…
どうだったでしょうか。「階段」と言っても、目的は非常階段で普段は、1~2階の移動にしか使わない。そもそも他の階の人との付き合いはないから、使ったこともなかった、と
そのうち、携帯も使えなくなると…
たとえば、これが1週間続いたら…、まあ住まれている方は、何が必要なのかを、今回被害に遭われた方にはお分かりいただいたと思いますが、幸運にも被害に遭わなかった方(もちろん圧倒的に多数ですが)も、この機会に、一度考えていただければと思います。
2019年9月26日木曜日
豊かなマンションライフのイメージ(管理不全への不安の払拭①)
前回、単独所有、レンタル、シェアの問題について書きました。
マンションも同じで、個人財産で単独所有でないということは「シェア」をしている(あるいはその部分がある程度ある)ということです。これは、決して「安いレンタル」という関係ではなく、各人がその所有者としての管理責任を負っていて、その判断と費用負担を行うからこそ、その資産(性)を最適に生かせるようになる、ということです。
それでも、最近は「マンション」の管理の世界では、その「管理」に積極的に関わろうという意識が低下しているようです。昔(昭和の時代?)は自宅不動産を持つということはたとえ小さなマンションでも、そして中古であったとしても、「一国一城の主」として周りに誇れるものであったと思います。そして、賃貸住宅を借りるにもいろいろとコストがかかるものでした。ある意味では、「マンションの区分所有者」であることは十分な「プライド」であって、「それを維持することに必要な管理活動」に参加することの動機付けにも十分になっていたようです。
今はどうでしょうか?
新たに住宅を買おうとする人の数の減少(少子高齢化)、過剰な住宅ストック、そして、上記の時期に分譲されたマンションの高経年化(とそれに伴う維持管理コストの大幅な上昇)、建替えも(当然経済的な合理性として、戸数も増やさず、費用もかけず、40年~50年経った住宅を新しいものに建替えることは不可能ですが)簡単ではなくなっています。
マンション(を含む住宅)を所有することが生活のための「コスト」でしかない、と捉える若い世代の人が増えているようです。
それから、その高経年住宅に住んでいる多くの高齢者が、頭の中で考えていること、それは「このマンションの居室のどこまでが自分のもので、どこからが自分のものでないのか」であって、「その自分のものでない部分には、自分の生活に関係ないことだからできるだけお金をかけたくない、そこの管理活動にも参加したくない」という意識が強くなっているようです。
そうです。敷地や共用部分(の一部)を「所有している意識」が低下しているのです。それに「シェア」という関係(というか権利と義務)がよくわかってない様なのです。
その結果は?
そうです。「管理不全マンション」の入り口に立ちつつあるということなのです。でも、まったく気がついていないのです。自分の単独の所有権が及んでいるところだけは考えるけれど、及ばないところは、全く考えられなくなっているのです。(どうやっても同じだから(変わらないから)費用が安いに越したことはない、と)
そうです。共用部は、管理費という利用料を払う「レンタル」の世界に入ってしまっているのです。なぜ?
もちろん不動産価格が昔ほど高騰しないのも理由ですが(でも、これは当面帰っては来ないでしょう)、共有部を(設備面だけでなく生活環境そのものも)共有(シェア)していることの「メリット」を感じていない、そして、それを維持、向上させようという意欲が湧いてこないということです。
では、何を言いたいのか、というと…
そうです。特に「高経年マンション」に住んでいる皆さんに、そして、これから「これから有利な条件の住宅を買いたい」に人たちに、「共用部を適切に管理していること」で得られるメリットをちゃんと感じてもらうことができたら、そして、その「メリット」をイメージできたら、「シェア」のいい点を実感してもらえれば…
きっと、多くのマンションオーナーに、積極的に「管理」にかかわる意識が芽生え、これから住宅を求める人にも「夢」を提供することになるのでは…
ということです。そう、この点で高経年マンションには「長年の実績」があるのです。新築マンションがここではかなうはずがないのです。
と、意識の話ばかりしましたが、次は、少し具体的に…
マンションも同じで、個人財産で単独所有でないということは「シェア」をしている(あるいはその部分がある程度ある)ということです。これは、決して「安いレンタル」という関係ではなく、各人がその所有者としての管理責任を負っていて、その判断と費用負担を行うからこそ、その資産(性)を最適に生かせるようになる、ということです。
それでも、最近は「マンション」の管理の世界では、その「管理」に積極的に関わろうという意識が低下しているようです。昔(昭和の時代?)は自宅不動産を持つということはたとえ小さなマンションでも、そして中古であったとしても、「一国一城の主」として周りに誇れるものであったと思います。そして、賃貸住宅を借りるにもいろいろとコストがかかるものでした。ある意味では、「マンションの区分所有者」であることは十分な「プライド」であって、「それを維持することに必要な管理活動」に参加することの動機付けにも十分になっていたようです。
今はどうでしょうか?
新たに住宅を買おうとする人の数の減少(少子高齢化)、過剰な住宅ストック、そして、上記の時期に分譲されたマンションの高経年化(とそれに伴う維持管理コストの大幅な上昇)、建替えも(当然経済的な合理性として、戸数も増やさず、費用もかけず、40年~50年経った住宅を新しいものに建替えることは不可能ですが)簡単ではなくなっています。
マンション(を含む住宅)を所有することが生活のための「コスト」でしかない、と捉える若い世代の人が増えているようです。
それから、その高経年住宅に住んでいる多くの高齢者が、頭の中で考えていること、それは「このマンションの居室のどこまでが自分のもので、どこからが自分のものでないのか」であって、「その自分のものでない部分には、自分の生活に関係ないことだからできるだけお金をかけたくない、そこの管理活動にも参加したくない」という意識が強くなっているようです。
そうです。敷地や共用部分(の一部)を「所有している意識」が低下しているのです。それに「シェア」という関係(というか権利と義務)がよくわかってない様なのです。
その結果は?
そうです。「管理不全マンション」の入り口に立ちつつあるということなのです。でも、まったく気がついていないのです。自分の単独の所有権が及んでいるところだけは考えるけれど、及ばないところは、全く考えられなくなっているのです。(どうやっても同じだから(変わらないから)費用が安いに越したことはない、と)
そうです。共用部は、管理費という利用料を払う「レンタル」の世界に入ってしまっているのです。なぜ?
もちろん不動産価格が昔ほど高騰しないのも理由ですが(でも、これは当面帰っては来ないでしょう)、共有部を(設備面だけでなく生活環境そのものも)共有(シェア)していることの「メリット」を感じていない、そして、それを維持、向上させようという意欲が湧いてこないということです。
では、何を言いたいのか、というと…
そうです。特に「高経年マンション」に住んでいる皆さんに、そして、これから「これから有利な条件の住宅を買いたい」に人たちに、「共用部を適切に管理していること」で得られるメリットをちゃんと感じてもらうことができたら、そして、その「メリット」をイメージできたら、「シェア」のいい点を実感してもらえれば…
きっと、多くのマンションオーナーに、積極的に「管理」にかかわる意識が芽生え、これから住宅を求める人にも「夢」を提供することになるのでは…
ということです。そう、この点で高経年マンションには「長年の実績」があるのです。新築マンションがここではかなうはずがないのです。
と、意識の話ばかりしましたが、次は、少し具体的に…
2019年9月12日木曜日
豊かなマンションライフのイメージ(管理不全への不安の払拭①)
日本のマンションの戸数は650万戸(平成30年末)、そこに暮らす人は1,400万人以上(国民の12%以上?)。そして、築30年を超えた高経年と言われるマンションは、もうすぐ200万戸。安易に、負担なしで建替え?できなくて当たり前ですね。せっかく買ったマンションの住み替えも負担だし。せっかくなら、もちろん「買って」がイメージでは、
そこに長くは住みたいですね。近くの部屋の人たちとも、お互いが顔が見える関係で、楽しく、豊かに…
でも、距離が近いだけに、お互いのプライバシーも大切に…
まあ、都市生活の基本ですね。
マンションって、戸建て住宅が集まってできたもの?
ではないですよね。
だったら、費用の安い賃貸住宅と同じ?
でもないですよね。
そうです。確かに、マンションには大事な専有部がありますが、実は共用部としていろいろな設備や、相当な空間を「シェア」して暮らすという、日本の意識では先端の(でもヨーロッパなどでは数百年前から常識の)暮らし方なんですよね。
まあ、この「シェア」する社会って、日本でも明治時代以前のムラ社会では、それほど違和感のあるものではなく、人が集まって住む自然な姿のひとつだと思いますよ。
マンションでの快適な暮らし方、という点では、住宅という自分の財産(専有部)を最良の状態(環境も価格も)で維持し、付帯する共用施設や敷地などを有効に使っていく必要があります。ここには、そのマンションの区分所有間で話し合い、納得できてさえいれば、戸建て住宅なんかより、余程便利で快適な生活ができることになります。維持コストについても、おぼ同じ規模の戸建て住宅なんかよりも、特に10年、20年と経年してくれば低い水準になるとも考えます。そうなんです、「シェア社会」の典型なんです。
物や空間を「シェア(共有)」すること、これはもちろん人類が集団で生活していくため大切な知恵なんですが、この「シェア」の意味をよく知らないと、せっかくのチャンスが消えてしまいます。基本は、全員が「持ち主」としての責任をもち、その管理(使用する順番や時間を決め、そのメンテナンスに責任を持つこと)をちゃんと行うことなんです。そのために「協議」が必要になるのです。この原則がわかり「管理」に適切な参加ができればいいのです。
けれども、現実には、多くの人は「この『管理』はめんどくさい。ほっておけば(言われる費用を払っておけば)誰かが管理してくれる」と考えてしまうのです。一方で「レンタルじゃあないんだから、もっとコストは安いはずだ」と言って管理経費を削ろうとして、あるいは不具合を放置してしまうのです。その結果、「シェア」って面倒なだけで…、となってしまうのです。
マンションも同じです。生活するのも、建物設備を維持することも、「シェア」の本質を区分所有者、居住者の皆さんがよく理解してないから、「荷物」と感じてしまうのです。「one is for all, all is for one」チームでのスポーツでは当たり前の言葉ですが、どうも、普段の生活では無視しがちですね。でも、なくては「勝利」はないですね。
「マンションは、チームプレーで生活するものだ」と自然に考えることができれば、きっと、経年や居住者の年齢に関係なく、「豊かなマンションライフ」を築けると思います。
そこに長くは住みたいですね。近くの部屋の人たちとも、お互いが顔が見える関係で、楽しく、豊かに…
でも、距離が近いだけに、お互いのプライバシーも大切に…
まあ、都市生活の基本ですね。
マンションって、戸建て住宅が集まってできたもの?
ではないですよね。
だったら、費用の安い賃貸住宅と同じ?
でもないですよね。
そうです。確かに、マンションには大事な専有部がありますが、実は共用部としていろいろな設備や、相当な空間を「シェア」して暮らすという、日本の意識では先端の(でもヨーロッパなどでは数百年前から常識の)暮らし方なんですよね。
まあ、この「シェア」する社会って、日本でも明治時代以前のムラ社会では、それほど違和感のあるものではなく、人が集まって住む自然な姿のひとつだと思いますよ。
マンションでの快適な暮らし方、という点では、住宅という自分の財産(専有部)を最良の状態(環境も価格も)で維持し、付帯する共用施設や敷地などを有効に使っていく必要があります。ここには、そのマンションの区分所有間で話し合い、納得できてさえいれば、戸建て住宅なんかより、余程便利で快適な生活ができることになります。維持コストについても、おぼ同じ規模の戸建て住宅なんかよりも、特に10年、20年と経年してくれば低い水準になるとも考えます。そうなんです、「シェア社会」の典型なんです。
物や空間を「シェア(共有)」すること、これはもちろん人類が集団で生活していくため大切な知恵なんですが、この「シェア」の意味をよく知らないと、せっかくのチャンスが消えてしまいます。基本は、全員が「持ち主」としての責任をもち、その管理(使用する順番や時間を決め、そのメンテナンスに責任を持つこと)をちゃんと行うことなんです。そのために「協議」が必要になるのです。この原則がわかり「管理」に適切な参加ができればいいのです。
けれども、現実には、多くの人は「この『管理』はめんどくさい。ほっておけば(言われる費用を払っておけば)誰かが管理してくれる」と考えてしまうのです。一方で「レンタルじゃあないんだから、もっとコストは安いはずだ」と言って管理経費を削ろうとして、あるいは不具合を放置してしまうのです。その結果、「シェア」って面倒なだけで…、となってしまうのです。
マンションも同じです。生活するのも、建物設備を維持することも、「シェア」の本質を区分所有者、居住者の皆さんがよく理解してないから、「荷物」と感じてしまうのです。「one is for all, all is for one」チームでのスポーツでは当たり前の言葉ですが、どうも、普段の生活では無視しがちですね。でも、なくては「勝利」はないですね。
「マンションは、チームプレーで生活するものだ」と自然に考えることができれば、きっと、経年や居住者の年齢に関係なく、「豊かなマンションライフ」を築けると思います。
2019年8月30日金曜日
マンションが「管理不全」になったら…
以前にも取り上げましたが…
「管理不全マンション」の問題、いろいろと論議はされていますが、
なんとなく前に進んでいかないようですね。
「管理不全」って?
・建物の設備の維持管理が十分に行われていない状態?
(多額の滞納や資金の不足も含めて)
・管理組合の組織がない、総会が開かれていない、
あるいは、開かれていても、規約改正も行えない状態?
・住民が高齢化し、退去者も増え、管理できていない空室が
増えて困っている?
このような状況になったマンションを「管理不全」というので
自分のマンションはまだここまで進んでいない。「管理不全」問題は存在しないので安心だ…
という役員の方々…
うちのマンションは、管理会社がちゃんとやってくれているから安心です。
別に管理組合(理事会)は、運営も含めて管理会社に従っていれば安心ですから…
結構よく耳にします。 ですが…、そうなんでしょうか?
上記にあげた状態、確かに症状は「管理不全マンション」で間違いないでしょう。
それもかなり進行した状態…
まあ、人間の病気で言えば「重篤な肺炎」や「心不全」みたいなもの…
そう、「重い症状」ではありますが、多くの場合この症状が病気の直接の原因ではありませんよね、癌があったり、結核などの肺の病気があったり、血管が詰まっていたり、感染症にかかったり、その結果、ちゃんと初期対応をしなかったからここまで進行したんだ、と言われたらしかたないですよね…
マンションの管理不全も、まあ「マンションの…」をつければ同じです。
不幸にして「管理不全マンション」と言われる状態になったら?
症状に対しての特効薬はない、というか、期待しても仕方がありません。
総会で「当マンションは管理不全じゃありません」って決議したら、収まるものでもないですよね。
そして、ここから立ち直るには…
おそらくマンションで自力では復活ができないでしょう。誰か、助けは必要です。でも、今は行政が支援してくれる枠組みもほぼできていません(あったとしても、自分たちで協議し、申請して、そして承認されて…、ハードルはかなり高いですよ)、管理会社は?…
現実には、多くが、その前に「もうこちらのマンションの管理は辞退させていただきます」となるようです。
「管理不全」から立ち直るには、非常に大きな負担と、精神的なエネルギーが必要になります。今までできなかった「将来への合意」を作らなければならないのですから…
一方で、組合員が「区分所有者の責任を逃れる」こと(≒専有部の売却をして越していく)
も容易ではありませんし、「解消」にしても、そのまえの維持管理の合意すら取れなかった管理組合には越えられないほどのハードルがあります。
そして、大きな負担を伴う負のスパイラルに陥ってしまうのです。
「じゃあ、マンションなんかに住まなければよい」というものでもありません。
現実に老朽化した戸建て住宅の維持管理(建替えも含めて)には膨大なコストがかかります。「賃貸住宅でいい」といっても、これは若いうちの収入がある時には安心ですが、高齢で子どももなく(疎遠も含め)単身とか、老々介護を抱えたりすれば…、いくら住宅が余っていても、遠くない将来に「路頭に迷うこと」になるかもしれません。
むしろ、ちゃんと管理されたマンションを持っていることが一番安心といってもいいでしょう。
それから、「『管理不全』になったら何とか立ち直ろう」よりは「日頃から努力して、『管理不全』にならないようにしよう」というほうが、何十倍も易しいことだということなんです。
まずは、マンションの管理に、多数の組合員が積極的に、前向きに関われるようにすること…
ここからなんですが…
長くなりましたので、続きはまた…
「管理不全マンション」の問題、いろいろと論議はされていますが、
なんとなく前に進んでいかないようですね。
「管理不全」って?
・建物の設備の維持管理が十分に行われていない状態?
(多額の滞納や資金の不足も含めて)
・管理組合の組織がない、総会が開かれていない、
あるいは、開かれていても、規約改正も行えない状態?
・住民が高齢化し、退去者も増え、管理できていない空室が
増えて困っている?
このような状況になったマンションを「管理不全」というので
自分のマンションはまだここまで進んでいない。「管理不全」問題は存在しないので安心だ…
という役員の方々…
うちのマンションは、管理会社がちゃんとやってくれているから安心です。
別に管理組合(理事会)は、運営も含めて管理会社に従っていれば安心ですから…
結構よく耳にします。 ですが…、そうなんでしょうか?
上記にあげた状態、確かに症状は「管理不全マンション」で間違いないでしょう。
それもかなり進行した状態…
まあ、人間の病気で言えば「重篤な肺炎」や「心不全」みたいなもの…
そう、「重い症状」ではありますが、多くの場合この症状が病気の直接の原因ではありませんよね、癌があったり、結核などの肺の病気があったり、血管が詰まっていたり、感染症にかかったり、その結果、ちゃんと初期対応をしなかったからここまで進行したんだ、と言われたらしかたないですよね…
マンションの管理不全も、まあ「マンションの…」をつければ同じです。
不幸にして「管理不全マンション」と言われる状態になったら?
症状に対しての特効薬はない、というか、期待しても仕方がありません。
総会で「当マンションは管理不全じゃありません」って決議したら、収まるものでもないですよね。
そして、ここから立ち直るには…
おそらくマンションで自力では復活ができないでしょう。誰か、助けは必要です。でも、今は行政が支援してくれる枠組みもほぼできていません(あったとしても、自分たちで協議し、申請して、そして承認されて…、ハードルはかなり高いですよ)、管理会社は?…
現実には、多くが、その前に「もうこちらのマンションの管理は辞退させていただきます」となるようです。
「管理不全」から立ち直るには、非常に大きな負担と、精神的なエネルギーが必要になります。今までできなかった「将来への合意」を作らなければならないのですから…
一方で、組合員が「区分所有者の責任を逃れる」こと(≒専有部の売却をして越していく)
も容易ではありませんし、「解消」にしても、そのまえの維持管理の合意すら取れなかった管理組合には越えられないほどのハードルがあります。
そして、大きな負担を伴う負のスパイラルに陥ってしまうのです。
「じゃあ、マンションなんかに住まなければよい」というものでもありません。
現実に老朽化した戸建て住宅の維持管理(建替えも含めて)には膨大なコストがかかります。「賃貸住宅でいい」といっても、これは若いうちの収入がある時には安心ですが、高齢で子どももなく(疎遠も含め)単身とか、老々介護を抱えたりすれば…、いくら住宅が余っていても、遠くない将来に「路頭に迷うこと」になるかもしれません。
むしろ、ちゃんと管理されたマンションを持っていることが一番安心といってもいいでしょう。
それから、「『管理不全』になったら何とか立ち直ろう」よりは「日頃から努力して、『管理不全』にならないようにしよう」というほうが、何十倍も易しいことだということなんです。
まずは、マンションの管理に、多数の組合員が積極的に、前向きに関われるようにすること…
ここからなんですが…
長くなりましたので、続きはまた…
2019年7月31日水曜日
マンションの改修再生に向けて
高経年マンションの増加は急ピッチです。
30年超のマンションは昨年末で約200万戸、これが20年後には500万戸超。
当然で、作ったものは年が経てば、古くなりますが…
古くなっても、ちゃんとメンテナンスしていれば、
50年、60年、ちゃんと価値を落とさず、居住環境も
維持できるはずです。
もちろん、今から100年後かも、その先かもしれませんが、
いつかは建替えることも必要でしょうし、「解消」という
選択になるのかもしれませんが…
最近、2度、3度、講演をしてきた概要ですが…
でも、ちゃんとしたメンテナンスですが
誰かが、しっかりしたプランを作って黙って待ってればいい
請求されたお金を払っていれば、住環境が維持できる
わけではありません…
そう、、自分たちで、どういう「夢」を持つか、
そして、区分所有者の皆さんでそれを、どう共有するかです。
「話し合う」しかありません。
そして、その結果(「合意」)があって初めて
工事や管理の発注、それが、明日につながる唯一の道なのです。
それに、大事なのは「後継者」
考えれば、当然のことですね…
30年超のマンションは昨年末で約200万戸、これが20年後には500万戸超。
当然で、作ったものは年が経てば、古くなりますが…
古くなっても、ちゃんとメンテナンスしていれば、
50年、60年、ちゃんと価値を落とさず、居住環境も
維持できるはずです。
もちろん、今から100年後かも、その先かもしれませんが、
いつかは建替えることも必要でしょうし、「解消」という
選択になるのかもしれませんが…
最近、2度、3度、講演をしてきた概要ですが…
でも、ちゃんとしたメンテナンスですが
誰かが、しっかりしたプランを作って黙って待ってればいい
請求されたお金を払っていれば、住環境が維持できる
わけではありません…
そう、、自分たちで、どういう「夢」を持つか、
そして、区分所有者の皆さんでそれを、どう共有するかです。
「話し合う」しかありません。
そして、その結果(「合意」)があって初めて
工事や管理の発注、それが、明日につながる唯一の道なのです。
それに、大事なのは「後継者」
考えれば、当然のことですね…
2019年6月7日金曜日
マンションの「解消」について…
先日、新聞の記事に、あるリゾードマンションの解消(建物解体、管理組合解散、そして土地売却まで)の一連の手続きが完了したとありました。
結構大きく取り上げられていましたが、多分、多くの方は、リゾードだから、そして30数戸の小型のマンションだったから、「自分達には関係ない」と思われているかもしれません。そして、その記事で気になったのは、1戸あたりほぼ100万円の修繕積立金があったので、解体費に充て、そして土地売却手続きまで進め、「持ち出し」はなかった、と。
大変な誤解ですよね、「管理費の繰越金が…」だったら、「持ち出しはなかった」と言ってもいいのですが、「修繕積立金はあったのに、解消後何も残らなかった」だったのです。修繕積立金ってひょっとして支払済の補修費用たと思っているのでしょうか。
もちろん、読まれている皆さんには「おかしい」と思われると思います。
そうです。「修繕積立金の残高」というのは、これからの建物等の維持管理、そしてできれば改良工事に充てるべき資金です。場合によっては建替え原資の一部にもなるものです。いうなれば、これは「管理組合の組合員の皆さんの貯金」なのです。そして、解消には、これが全部吹き飛んでしまった、ということなのです。(手を離れているから、既に目的に使われてしまっている、というものではありません)
そうです。このケースでは、「解消」のために1戸あたり100万円を持ち出した、と言う事なのです。そして、事実として、この手続きに加わった業者さんに「利益」としても持って行かれているのですが。
そして、識者の意見として、マンションには「解体積立金とかが必須です」とか、記事を書かれている方は誤解されているわけではありませんでした。「持ち出しがあった」事実は認識されているようです。
「定期借地権マンションで、地主の方が絶対更地返却だ」と言われているならば、そうです、多分この「解体積立金」は必要でしょうが、所有権マンションであれば、そして組合員の皆さんの合意に基づいて、きっちりと管理し、補修(改良)を進めていけば、100年でも維持できるのに…
「修繕積立金を十分に持つ」なら納得できるでしょうが、所有権マンションで「『解体積立金』が必要です。月に2万円です」なんて言われたら、そんなマンションを持ちたいと思いますか?こんなの資産じゃないですよね!改修工事にも、そこから支出出来ないんですよ。
もちろん、この問題も、別に誰かマンションの所有に関係ない人や会社が決める事ではありません。当然のことなのですが、管理組合で自分たちの合意で決めるものなので、別に、こう決めるのは自由です。しかし、こう決めざるを得なくなるなら、それは「管理」の失敗なのです。
では、これは、リゾードの小型のマンションだけの問題でしょうか?
いえ、大都市近郊の高経年マンションでは、実は、もっと差し迫っている問題なのです。いわゆる「管理不全マンション」の問題です。住環境の整備、建物の維持管理は、総会決議があれば出来るものではありません。日頃の区分所有者の皆さんの将来に向けた展望の忌憚ない討議と、十分な計画、そして適時の改修工事が、ちゃんとつながらなければ、結果はその「管理不全マンション」になってしまうのです。改修工事の費用がないわけですから、当然、一時金持ち出しでの解消しか見えなくなってしまうのです。
リゾードで、そこを住居にしていた人も少なく、土地も安く、時間をかけてもよかったから、実はこういう結果で終えられた、というのも実態でしょう。郊外の大型マンションだと、敷地にまだ「価格」があるからこそ、そして、住み替えざるを得ない人は急ぐから、そして、持ち主の所在まで不明なケースも出ることから、そうです、当然土地売却は難航します(たぶんできないでしょう)。解体すら合意できないかもしれないのです(議決権の不足で)。そうです、これは、今の管理に不安のあるマンションにはとても身近な問題だったのです。当然、高経年でなくても…
「もう建替えはできない」、「修繕費は積み立てられない」、「管理費は(先を考えず)とりあえず安くしよう」という方向に向かっているマンションでは、不可逆的な課題になってしまうのです。
結構大きく取り上げられていましたが、多分、多くの方は、リゾードだから、そして30数戸の小型のマンションだったから、「自分達には関係ない」と思われているかもしれません。そして、その記事で気になったのは、1戸あたりほぼ100万円の修繕積立金があったので、解体費に充て、そして土地売却手続きまで進め、「持ち出し」はなかった、と。
大変な誤解ですよね、「管理費の繰越金が…」だったら、「持ち出しはなかった」と言ってもいいのですが、「修繕積立金はあったのに、解消後何も残らなかった」だったのです。修繕積立金ってひょっとして支払済の補修費用たと思っているのでしょうか。
もちろん、読まれている皆さんには「おかしい」と思われると思います。
そうです。「修繕積立金の残高」というのは、これからの建物等の維持管理、そしてできれば改良工事に充てるべき資金です。場合によっては建替え原資の一部にもなるものです。いうなれば、これは「管理組合の組合員の皆さんの貯金」なのです。そして、解消には、これが全部吹き飛んでしまった、ということなのです。(手を離れているから、既に目的に使われてしまっている、というものではありません)
そうです。このケースでは、「解消」のために1戸あたり100万円を持ち出した、と言う事なのです。そして、事実として、この手続きに加わった業者さんに「利益」としても持って行かれているのですが。
そして、識者の意見として、マンションには「解体積立金とかが必須です」とか、記事を書かれている方は誤解されているわけではありませんでした。「持ち出しがあった」事実は認識されているようです。
「定期借地権マンションで、地主の方が絶対更地返却だ」と言われているならば、そうです、多分この「解体積立金」は必要でしょうが、所有権マンションであれば、そして組合員の皆さんの合意に基づいて、きっちりと管理し、補修(改良)を進めていけば、100年でも維持できるのに…
「修繕積立金を十分に持つ」なら納得できるでしょうが、所有権マンションで「『解体積立金』が必要です。月に2万円です」なんて言われたら、そんなマンションを持ちたいと思いますか?こんなの資産じゃないですよね!改修工事にも、そこから支出出来ないんですよ。
もちろん、この問題も、別に誰かマンションの所有に関係ない人や会社が決める事ではありません。当然のことなのですが、管理組合で自分たちの合意で決めるものなので、別に、こう決めるのは自由です。しかし、こう決めざるを得なくなるなら、それは「管理」の失敗なのです。
では、これは、リゾードの小型のマンションだけの問題でしょうか?
いえ、大都市近郊の高経年マンションでは、実は、もっと差し迫っている問題なのです。いわゆる「管理不全マンション」の問題です。住環境の整備、建物の維持管理は、総会決議があれば出来るものではありません。日頃の区分所有者の皆さんの将来に向けた展望の忌憚ない討議と、十分な計画、そして適時の改修工事が、ちゃんとつながらなければ、結果はその「管理不全マンション」になってしまうのです。改修工事の費用がないわけですから、当然、一時金持ち出しでの解消しか見えなくなってしまうのです。
リゾードで、そこを住居にしていた人も少なく、土地も安く、時間をかけてもよかったから、実はこういう結果で終えられた、というのも実態でしょう。郊外の大型マンションだと、敷地にまだ「価格」があるからこそ、そして、住み替えざるを得ない人は急ぐから、そして、持ち主の所在まで不明なケースも出ることから、そうです、当然土地売却は難航します(たぶんできないでしょう)。解体すら合意できないかもしれないのです(議決権の不足で)。そうです、これは、今の管理に不安のあるマンションにはとても身近な問題だったのです。当然、高経年でなくても…
「もう建替えはできない」、「修繕費は積み立てられない」、「管理費は(先を考えず)とりあえず安くしよう」という方向に向かっているマンションでは、不可逆的な課題になってしまうのです。
2019年5月31日金曜日
マンション管理組合のあり方についての1視点
先月、マンション学会福岡大会に参加して以降、
あちこちの決算業務に追われて、書き込みができませんでした。
福岡大会の成果とかは、またあらためて書き込むつもりですが…
最近のマンションを巡る環境について問題になっていることは、昨年までの「民泊」問題、「不適切コンサル」問題から、今年は「管理不全マンション」に重点が移っています。ですが、これはテーマがただ置き換わってしまったわけではありません。
もちろん各課題の「見え方」は全く違います。「管理・用法の問題」「適切な補修工事の取り組み方」そして「修繕計画と費用」の問題。多くの方はこの問題をそれぞれ別に、イメージして、自分の住んでいる、あるいはかかわられているマンションが、「どうすれば被害を受けずに済むか?」「どうしたら理事長以下の役員が責任を負わないで済むか?」というように捉えて活動をされています。それも残任期の1~2年のうちで、と…
まあ、事情は分かります。
でも、ここで「管理組合」って何か考えてください。
「営利企業」じゃない。「官庁」じゃない。ただの「財産管理団体」だから、組合員の見かけの損害がなければ、それ以上責任はない。自分だって管理費・修繕積立金の使途だけみれば、あとは…
こう考えていませんか?
そうしたら、ここ数年で起こった問題は、種類も異なり目まぐるしく対応を迫られる、重たい話だったのでしょう。そして、その意識でいたら、将来の「管理不全マンション」化、避けて通れなく、というか陥ってしまうことがほぼ避けられなくなるでしょう。
「意味が分からない」でしょう…
まあ、この辺り、これからゆっくり書いていこうと思います。
ひとつ言える事、「マンションの管理組合」のあり方、これは単に「財産管理のための形も見えない団体」ではない。と言う事です。役員としてやっていることも「単なるボランティア活動」ではないことを、十分理解しておいてほしいと思います。
「管理組合」は、「民法」に従った、そして「区分所有法」で定義された団体です。法人化されていれば法人格も持ちます。当然「公的機関」ではありません。目的は、「区分所有建物と敷地を管理すること」ですが、「管理」する、ということはただ「税金だけ払っておけば…」ではなく、「不動産の所有権者」として責任を全うすることなのです。管理組合だから「共用部だけ」ではありません。「専有部が適切に、組合員間の利害も調整されて『管理』されなければいけない」のです。
そう、不動産を管理すること、これは、現金の利益ではありませんが、少なくともマンションでは全員の「居住環境の向上」という形の一種の利益を追求しないといけないのです。そして、一般の企業のように業績が悪くなれば数年で「撤退」とも行きません。
そう「マンションの管理組合」での役員(組合員全員かもしれません)の行動は、一般の企業経営と何ら変わらない(というか『継続性』を強く求められるだけもっと重いかもしれません)なのです。
民間団体ですから、自分達の財産は、ルールの則って「自分達で責任をもって守る」しかないのです。組合員一人一人が、社会的責任も負う「企業」の社長である位の意識を持たなければ、管理組合運営はできないのです。その意識のもとで組合員間で(特に理事などの役員に)権限を委任して、運営をする必要があるのです。
こう言われると、「あ~あ、マンションなんか持つんじゃなかった」と思われるかもしれません。でも、その意識が共有されていれば、実は、共同でマンションを管理するほうが、戸建て住宅の管理より恵まれているかもしれない、と思えるようになると思います。特に高経年化する程に…
あちこちの決算業務に追われて、書き込みができませんでした。
福岡大会の成果とかは、またあらためて書き込むつもりですが…
最近のマンションを巡る環境について問題になっていることは、昨年までの「民泊」問題、「不適切コンサル」問題から、今年は「管理不全マンション」に重点が移っています。ですが、これはテーマがただ置き換わってしまったわけではありません。
もちろん各課題の「見え方」は全く違います。「管理・用法の問題」「適切な補修工事の取り組み方」そして「修繕計画と費用」の問題。多くの方はこの問題をそれぞれ別に、イメージして、自分の住んでいる、あるいはかかわられているマンションが、「どうすれば被害を受けずに済むか?」「どうしたら理事長以下の役員が責任を負わないで済むか?」というように捉えて活動をされています。それも残任期の1~2年のうちで、と…
まあ、事情は分かります。
でも、ここで「管理組合」って何か考えてください。
「営利企業」じゃない。「官庁」じゃない。ただの「財産管理団体」だから、組合員の見かけの損害がなければ、それ以上責任はない。自分だって管理費・修繕積立金の使途だけみれば、あとは…
こう考えていませんか?
そうしたら、ここ数年で起こった問題は、種類も異なり目まぐるしく対応を迫られる、重たい話だったのでしょう。そして、その意識でいたら、将来の「管理不全マンション」化、避けて通れなく、というか陥ってしまうことがほぼ避けられなくなるでしょう。
「意味が分からない」でしょう…
まあ、この辺り、これからゆっくり書いていこうと思います。
ひとつ言える事、「マンションの管理組合」のあり方、これは単に「財産管理のための形も見えない団体」ではない。と言う事です。役員としてやっていることも「単なるボランティア活動」ではないことを、十分理解しておいてほしいと思います。
「管理組合」は、「民法」に従った、そして「区分所有法」で定義された団体です。法人化されていれば法人格も持ちます。当然「公的機関」ではありません。目的は、「区分所有建物と敷地を管理すること」ですが、「管理」する、ということはただ「税金だけ払っておけば…」ではなく、「不動産の所有権者」として責任を全うすることなのです。管理組合だから「共用部だけ」ではありません。「専有部が適切に、組合員間の利害も調整されて『管理』されなければいけない」のです。
そう、不動産を管理すること、これは、現金の利益ではありませんが、少なくともマンションでは全員の「居住環境の向上」という形の一種の利益を追求しないといけないのです。そして、一般の企業のように業績が悪くなれば数年で「撤退」とも行きません。
そう「マンションの管理組合」での役員(組合員全員かもしれません)の行動は、一般の企業経営と何ら変わらない(というか『継続性』を強く求められるだけもっと重いかもしれません)なのです。
民間団体ですから、自分達の財産は、ルールの則って「自分達で責任をもって守る」しかないのです。組合員一人一人が、社会的責任も負う「企業」の社長である位の意識を持たなければ、管理組合運営はできないのです。その意識のもとで組合員間で(特に理事などの役員に)権限を委任して、運営をする必要があるのです。
こう言われると、「あ~あ、マンションなんか持つんじゃなかった」と思われるかもしれません。でも、その意識が共有されていれば、実は、共同でマンションを管理するほうが、戸建て住宅の管理より恵まれているかもしれない、と思えるようになると思います。特に高経年化する程に…
2019年4月18日木曜日
日本マンション学会福岡大会(4月20日~21日)に参加してきます
日本マンション学会恒例の大会が20日(土)21日(日)の2日間、本年は福岡市(会場は福岡大学)で開催されます。
メインシンポジウム(20日午後)のテーマは「被災マンションの課題とそれを踏まえての提言」で、熊本地震からの復興途上にあるマンションの問題や展望などが語られるようです。
私は、初日午前の第2分科会に参加し、再生改修工事を成功させてきた高経年マンションの管理やコミュニティの状況や特徴などを、ヒアリングによるアンケート調査研究会委員の共同研究で実施、その結果の発表と、将来に向けたシンポジウムを行います。
合わせて、千葉県マンション管理士会の田邊会員と共同で、実務報告を一篇提出しており、こちらの発表等は田邊会員に行っていただきます。(20日午前の第3分科会での発表のため、上記の分科会発表と被ってしまいました)
21日は、いずれかの分科会に参加した後、午後からマンション見学となっています。
詳しくは、 マンション学会福岡大会のHP: https://jicltaikai2019.org/
または、マンション学会のHP: https://www.jicl.or.jp よりご確認ください。
とにかく高経年化したマンション、被災したマンションは、その区分所有者全員が力を合わせないと「再生」はかないません。無理な費用の圧縮は「望まぬ解消」への一本道になるのかもしれません。
特に高経年のマンションの皆さん、これから高経年化するマンション(新築だって…)
頭に置かなければいけないことだと思います。
必ず「成果」の期待できる大会だと考えています。
メインシンポジウム(20日午後)のテーマは「被災マンションの課題とそれを踏まえての提言」で、熊本地震からの復興途上にあるマンションの問題や展望などが語られるようです。
私は、初日午前の第2分科会に参加し、再生改修工事を成功させてきた高経年マンションの管理やコミュニティの状況や特徴などを、ヒアリングによるアンケート調査研究会委員の共同研究で実施、その結果の発表と、将来に向けたシンポジウムを行います。
合わせて、千葉県マンション管理士会の田邊会員と共同で、実務報告を一篇提出しており、こちらの発表等は田邊会員に行っていただきます。(20日午前の第3分科会での発表のため、上記の分科会発表と被ってしまいました)
21日は、いずれかの分科会に参加した後、午後からマンション見学となっています。
詳しくは、 マンション学会福岡大会のHP: https://jicltaikai2019.org/
または、マンション学会のHP: https://www.jicl.or.jp よりご確認ください。
とにかく高経年化したマンション、被災したマンションは、その区分所有者全員が力を合わせないと「再生」はかないません。無理な費用の圧縮は「望まぬ解消」への一本道になるのかもしれません。
特に高経年のマンションの皆さん、これから高経年化するマンション(新築だって…)
頭に置かなければいけないことだと思います。
必ず「成果」の期待できる大会だと考えています。
2019年3月23日土曜日
最近の相談から(情報の保護に関して)
マンション管理に関してだけではありませんが、
最近、よく気になることが「個人情報の保護」に関する問題です。
住所、連絡先、フルネーム、メールアドレス、そして、マイナンバーとか。
病気とか、宗教とか、極めてセンシティブなものは別として、
問題のは、ある意味で、個人や会社を特定するための基本的な情報ですね。
よく、「情報が悪用されるといけないから、名前は明かしたくない」とか、
どんな局面でも、当然の権利のように主張する人がいます。
一方で、こう言われると面倒くさいから、と言って、必要な情報も
聞かない、あるいは聞いてはいけないと信じている人がいます。
これが、実は社会に対して不利益をもたらし、様々なリスクを生んでいるのですが、
それよりも「変な責任を負わない方が安心」と考えている人が、
相当数おられます。実は、これらの方が、結果的に一番の損害を被っている、
あるいはこれから被ることになるとは気が付かないままで。
例えば、マンションで(もちろん、賃貸の共同住宅でも同様ですが)、
新たに入居して、管理事務所や、近隣の住居の居住者に、
ここに自分が住んでいることがわかると、何かと面倒、とか、
で、できるだけ部屋の近くで他の人に顔も合わせないように、そして
表札も掲げず、空家かどうかもわからない状態で住んでいて、
実際に、何か具体的に「得」をすることはありますか?
実は、犯罪に巻き込まれる人、孤立して亡くなったりする人、
(別に一人暮らしとは限りません、小さな子供のために、と思って
という家族の場合もあります。)、ほぼ、近所の人との付き合いのない
人たちばかりです。そしてさらに不安になり、セキュリティの強化に
費用をかけ、そして、ネットを経由した甘い誘いにかかってしまうのです。
安全に、そして快適に暮らすには、最低限、近所の人(複数、できれば
5、6人以上くらいで)、フランクに話ができて、そして、メンバー以外には
あまり秘密を洩らさない(でも、必要な情報は伝達してくれる)人との
適当なつながりを持てなければいけません。
それで結果的に、安心感は持てないのです。
かつて、夢をもって団地に住んだ人たちは、入居当初から、
意識して、そういうグループを作ろうとしました。そして、活気ある団地が
生まれました。小さな子供が1人で公園に遊びに行っても、
安心な街ができあがっていたのです。
しかし、今の若い世代には、そんな信頼感は育たず、
高齢者は、自分の子供が巣立って時間がたつと、すっかり忘れて
しまったようです。
すこし、話がそれているようですが、そうではありません。
長くなってきましたので、近く、続きを…
2019年3月1日金曜日
2月16日習志野市セミナーにて講演してきました
2月16日、習志野市で、「マンションの長寿命化のための合意形成」ということで50分ほど話してきました。
新築から30年以上のマンションが増えてきています。マンションの寿命は、40年とも60年ともいわれていますが、実際はどうでしょうか。「寿命がきて住みにくくなったら、建替えればいい」のでしょうか、それとも「しっかりとメンテナンスを行ってあと数十年このまま暮らす」ことがいいのでしょうか。
マンションで重要なことは、これを一人では決められなくて、区分所有者のみなさんがみんなで話し合っていかなければいけない、ということです。かつてバブル期にあった「建替えは全く持ち出しがなくできる」時代ではもうありません。再生(長寿命化)と言っても、昔のままの生活とはいかないのでアップデートしていくためには相当な費用がかかります。また、誰かがうまい話を持ってきてくれることも期待は薄いと思います。少なくとも「その方向性」だけは区分所有者の皆さんで決めなければなりません。これが「合意形成」なのです。
高経年のマンションは、もし何もしなければ、あと10年、20年で寿命が来てしまいます。そうすれば、建替えも、住み続けることもできなくなります。いちばん悲惨な結果になるかもしれませんね。とりあえず「自分の生きている間持たせればいい、あとのことは関係ない」のでしょうか?
ではないですね。病気で余命の宣告をされてる方でない限り、そういう方が結局最後に残ることになり悲劇の主人公になってしまうものです。そう、建替えても再生に挑んでも、どちらでもいいのですが、次世代に「確実に受け継がなければ」なりません。もちろん今年話し合いを始めれば、2~3年後には工事に着手できるとか、そういうものではありませんし…
ここで、高経年マンションでは、何を考え、何を話し合い、どう「目標」を立てるか、こういう視点から話してきました。
この内容の詳細は? … また書いていきます。
新築から30年以上のマンションが増えてきています。マンションの寿命は、40年とも60年ともいわれていますが、実際はどうでしょうか。「寿命がきて住みにくくなったら、建替えればいい」のでしょうか、それとも「しっかりとメンテナンスを行ってあと数十年このまま暮らす」ことがいいのでしょうか。
マンションで重要なことは、これを一人では決められなくて、区分所有者のみなさんがみんなで話し合っていかなければいけない、ということです。かつてバブル期にあった「建替えは全く持ち出しがなくできる」時代ではもうありません。再生(長寿命化)と言っても、昔のままの生活とはいかないのでアップデートしていくためには相当な費用がかかります。また、誰かがうまい話を持ってきてくれることも期待は薄いと思います。少なくとも「その方向性」だけは区分所有者の皆さんで決めなければなりません。これが「合意形成」なのです。
高経年のマンションは、もし何もしなければ、あと10年、20年で寿命が来てしまいます。そうすれば、建替えも、住み続けることもできなくなります。いちばん悲惨な結果になるかもしれませんね。とりあえず「自分の生きている間持たせればいい、あとのことは関係ない」のでしょうか?
ではないですね。病気で余命の宣告をされてる方でない限り、そういう方が結局最後に残ることになり悲劇の主人公になってしまうものです。そう、建替えても再生に挑んでも、どちらでもいいのですが、次世代に「確実に受け継がなければ」なりません。もちろん今年話し合いを始めれば、2~3年後には工事に着手できるとか、そういうものではありませんし…
ここで、高経年マンションでは、何を考え、何を話し合い、どう「目標」を立てるか、こういう視点から話してきました。
この内容の詳細は? … また書いていきます。
2019年2月15日金曜日
高経年マンションの「合意形成」について
標題のテーマにて、明日、習志野市で話してくる予定です。
マンションの運営は、区分所有者の大半の方が、ちゃんと意識して取り組まなければ、満足の行くようにはなりません。分譲から年を経れば経るほど、住む人は年を取り、世代間のバラツキが広がり、将来への意識、金銭面の余裕など、生活環境の幅が大きくなってきます。だからこそ、マンションごとに、しっかりした「将来への合意」がなければなりません。
昔の日本の村のように、長老の意見に従っていれば「丸く」おさまるわけでなありません。管理会社に任せていれば…
楽で、見かけはいいかもしれませんが、間違いなくコストは上がっていきます。(でも、誰も言ってはくれませんけど…)
どうやって…
手段はいろいろありますが、
基本は、「区分所有者の、そして住民の皆さんの、忌憚のない意見が集まって、そして自由に論議ができ、そして反映される仕組みを作ること」です。
「マンション管理は『不動産の管理』だから、区分所有者だけで決めればいいんだ」とよく言われます。それに対しては「え!空き家を管理しているんですか?」と聞き返します。
「住宅の管理」なら、「住環境」「住み心地」そして「将来の安心感」ですよね。それがあって初めて不動産を持ち続ける気持ちになり、あるいは、新たな所有者になりたい人も生まれてきますよね。そして、はじめて、「管理」が上手く回ります。何よりも、そこに興味をもつことです。そして、将来への夢と展望を話し、他の所有者の方の意見も聞いていくことです。「めんどくさい」「むつかしい」は禁物です。
短絡的に、「所有している不動産の価格が上がればいい」と考えるだけでは、落とし穴に落ちてしまいます。とにかく不動産は「価格に関係なく(というより、むしろ安い方がいい)」、「とりあえず多く取引が発生してくれればいい」と思って、甘い誘惑をしている人たちが多くいますので。そして、その末路は…、いろいろ事件が起きていますよね…。
あとは、他のマンションとの交流(情報交換)や、専門家というか「いろんな分野で活動される方の意見の収集」ですよね。決してその方々の『指示』であってはダメで、それは指針であって、決めるのは自分達なのですから。
この自覚があればきっと未来は明るいと思います。
という方向性ですね…
マンションの運営は、区分所有者の大半の方が、ちゃんと意識して取り組まなければ、満足の行くようにはなりません。分譲から年を経れば経るほど、住む人は年を取り、世代間のバラツキが広がり、将来への意識、金銭面の余裕など、生活環境の幅が大きくなってきます。だからこそ、マンションごとに、しっかりした「将来への合意」がなければなりません。
昔の日本の村のように、長老の意見に従っていれば「丸く」おさまるわけでなありません。管理会社に任せていれば…
楽で、見かけはいいかもしれませんが、間違いなくコストは上がっていきます。(でも、誰も言ってはくれませんけど…)
どうやって…
手段はいろいろありますが、
基本は、「区分所有者の、そして住民の皆さんの、忌憚のない意見が集まって、そして自由に論議ができ、そして反映される仕組みを作ること」です。
「マンション管理は『不動産の管理』だから、区分所有者だけで決めればいいんだ」とよく言われます。それに対しては「え!空き家を管理しているんですか?」と聞き返します。
「住宅の管理」なら、「住環境」「住み心地」そして「将来の安心感」ですよね。それがあって初めて不動産を持ち続ける気持ちになり、あるいは、新たな所有者になりたい人も生まれてきますよね。そして、はじめて、「管理」が上手く回ります。何よりも、そこに興味をもつことです。そして、将来への夢と展望を話し、他の所有者の方の意見も聞いていくことです。「めんどくさい」「むつかしい」は禁物です。
短絡的に、「所有している不動産の価格が上がればいい」と考えるだけでは、落とし穴に落ちてしまいます。とにかく不動産は「価格に関係なく(というより、むしろ安い方がいい)」、「とりあえず多く取引が発生してくれればいい」と思って、甘い誘惑をしている人たちが多くいますので。そして、その末路は…、いろいろ事件が起きていますよね…。
あとは、他のマンションとの交流(情報交換)や、専門家というか「いろんな分野で活動される方の意見の収集」ですよね。決してその方々の『指示』であってはダメで、それは指針であって、決めるのは自分達なのですから。
この自覚があればきっと未来は明るいと思います。
という方向性ですね…
2019年1月30日水曜日
管理不全マンション?
先日、日本マンション管理士会連合会の合同研修会に参加してきました
今年のテーマは「管理不全」マンションについて
マンションの「管理不全」って、最近時折耳にしますが、
どんな状態のことでしょうか?
イメージするのは、新築から10数年たつのに、外壁塗装も新築入居時のまま、
とか、最近排水管からの漏水事故が繰り返されているとか、
空き家が増えて困っているマンションとか、
想像しがちですよね。
でも、今回の研修会であらためて確認した。
「管理不全」って、特に建物設備のハード面の現象じゃなく、
そのマンションに住んでいる人たち自身が、自分たちの住環境について
あるいは、その将来について、真剣に取組めずに、
結果として「何も決められずに」ズルズルと時間がたった
マンションなのじゃないかな、と。
「お金がない」から、よく、高経年で思い通りの修繕ができないマンションの
役員の方が口にされます。そう、現実に「資金が無くて」大きな工事はできませんね。
でも、そこには、過去、「資金をためなくては」という合意がなされなかっただけ
という事実があることを忘れてはいけません。
「昔の役員が無駄な支出をしたからだ」、「これからはもっと切り詰めよう」
こういう結論になりがち。そして「しかたなかった…」と続いてしまいます。
これが「管理不全」なのです。たとえ理事会とかが十分に機能していても…
そう、これから「管理不全」マンションにならないためには、
自分が住む、あるいは持っているでもかまいません、マンションを、
いかに、長期的にみて「価値があるもの」にするための「話し合いの場」ができて
そして、その時にやるべきことが一つ一つ積み上げられていけるよう
努力することが必要です。それは修繕費の値上げかもしれません。
「誰かが決めてくれる」「お金はちゃんと払っている」から大丈夫ではありません。
「自分のことは自分で決める」これが「財産を守る」ための基本的な姿勢です。
間違っても「自分でやる」と言い張ることではありません。
来月(2月)16日、習志野市で「合意形成」について話します…
今年のテーマは「管理不全」マンションについて
マンションの「管理不全」って、最近時折耳にしますが、
どんな状態のことでしょうか?
イメージするのは、新築から10数年たつのに、外壁塗装も新築入居時のまま、
とか、最近排水管からの漏水事故が繰り返されているとか、
空き家が増えて困っているマンションとか、
想像しがちですよね。
でも、今回の研修会であらためて確認した。
「管理不全」って、特に建物設備のハード面の現象じゃなく、
そのマンションに住んでいる人たち自身が、自分たちの住環境について
あるいは、その将来について、真剣に取組めずに、
結果として「何も決められずに」ズルズルと時間がたった
マンションなのじゃないかな、と。
「お金がない」から、よく、高経年で思い通りの修繕ができないマンションの
役員の方が口にされます。そう、現実に「資金が無くて」大きな工事はできませんね。
でも、そこには、過去、「資金をためなくては」という合意がなされなかっただけ
という事実があることを忘れてはいけません。
「昔の役員が無駄な支出をしたからだ」、「これからはもっと切り詰めよう」
こういう結論になりがち。そして「しかたなかった…」と続いてしまいます。
これが「管理不全」なのです。たとえ理事会とかが十分に機能していても…
そう、これから「管理不全」マンションにならないためには、
自分が住む、あるいは持っているでもかまいません、マンションを、
いかに、長期的にみて「価値があるもの」にするための「話し合いの場」ができて
そして、その時にやるべきことが一つ一つ積み上げられていけるよう
努力することが必要です。それは修繕費の値上げかもしれません。
「誰かが決めてくれる」「お金はちゃんと払っている」から大丈夫ではありません。
「自分のことは自分で決める」これが「財産を守る」ための基本的な姿勢です。
間違っても「自分でやる」と言い張ることではありません。
来月(2月)16日、習志野市で「合意形成」について話します…
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