以前にも取り上げましたが…
「管理不全マンション」の問題、いろいろと論議はされていますが、
なんとなく前に進んでいかないようですね。
「管理不全」って?
・建物の設備の維持管理が十分に行われていない状態?
(多額の滞納や資金の不足も含めて)
・管理組合の組織がない、総会が開かれていない、
あるいは、開かれていても、規約改正も行えない状態?
・住民が高齢化し、退去者も増え、管理できていない空室が
増えて困っている?
このような状況になったマンションを「管理不全」というので
自分のマンションはまだここまで進んでいない。「管理不全」問題は存在しないので安心だ…
という役員の方々…
うちのマンションは、管理会社がちゃんとやってくれているから安心です。
別に管理組合(理事会)は、運営も含めて管理会社に従っていれば安心ですから…
結構よく耳にします。 ですが…、そうなんでしょうか?
上記にあげた状態、確かに症状は「管理不全マンション」で間違いないでしょう。
それもかなり進行した状態…
まあ、人間の病気で言えば「重篤な肺炎」や「心不全」みたいなもの…
そう、「重い症状」ではありますが、多くの場合この症状が病気の直接の原因ではありませんよね、癌があったり、結核などの肺の病気があったり、血管が詰まっていたり、感染症にかかったり、その結果、ちゃんと初期対応をしなかったからここまで進行したんだ、と言われたらしかたないですよね…
マンションの管理不全も、まあ「マンションの…」をつければ同じです。
不幸にして「管理不全マンション」と言われる状態になったら?
症状に対しての特効薬はない、というか、期待しても仕方がありません。
総会で「当マンションは管理不全じゃありません」って決議したら、収まるものでもないですよね。
そして、ここから立ち直るには…
おそらくマンションで自力では復活ができないでしょう。誰か、助けは必要です。でも、今は行政が支援してくれる枠組みもほぼできていません(あったとしても、自分たちで協議し、申請して、そして承認されて…、ハードルはかなり高いですよ)、管理会社は?…
現実には、多くが、その前に「もうこちらのマンションの管理は辞退させていただきます」となるようです。
「管理不全」から立ち直るには、非常に大きな負担と、精神的なエネルギーが必要になります。今までできなかった「将来への合意」を作らなければならないのですから…
一方で、組合員が「区分所有者の責任を逃れる」こと(≒専有部の売却をして越していく)
も容易ではありませんし、「解消」にしても、そのまえの維持管理の合意すら取れなかった管理組合には越えられないほどのハードルがあります。
そして、大きな負担を伴う負のスパイラルに陥ってしまうのです。
「じゃあ、マンションなんかに住まなければよい」というものでもありません。
現実に老朽化した戸建て住宅の維持管理(建替えも含めて)には膨大なコストがかかります。「賃貸住宅でいい」といっても、これは若いうちの収入がある時には安心ですが、高齢で子どももなく(疎遠も含め)単身とか、老々介護を抱えたりすれば…、いくら住宅が余っていても、遠くない将来に「路頭に迷うこと」になるかもしれません。
むしろ、ちゃんと管理されたマンションを持っていることが一番安心といってもいいでしょう。
それから、「『管理不全』になったら何とか立ち直ろう」よりは「日頃から努力して、『管理不全』にならないようにしよう」というほうが、何十倍も易しいことだということなんです。
まずは、マンションの管理に、多数の組合員が積極的に、前向きに関われるようにすること…
ここからなんですが…
長くなりましたので、続きはまた…
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