2020年12月7日月曜日

高経年、人口高齢化マンションの現実?

 最近の訳が分からない忙しさで、3カ月ぶりにやっと投稿の時間を作ることができました…


ここ数年、いろいろと高経年の、区分所有者、住民が高齢化していると言われる

郊外型団地の「長寿命化」の問題にかかわっています。そして、長く続くコロナ禍の

影響もあり、この団地の問題の複雑さがより実感できました。


最初は、建物設備の問題からでした。そして、その維持費用の高騰、

バブル崩壊以降の景気の停滞、それに加えての少子高齢化の進行…

そして近年は「合意形成」の課題がクローズアップされています。

数年前には、マンション管理の世界には「コミュニティ」は無縁なこと。

財産(換金できるもの)の管理には人の心はいらないというような

私としては「愚説」と感じるような話がまかり通っていましたが…


もちろん、この話には説得力はありました。しかし、それは、上記の

様々な課題を、それぞれ別の課題として、別の人たちが論じてきたということに

現実との乖離を生む原因があったと感じます。


例えば、これが一つの(事業)会社だったとしたら、

営業(販売)と仕入れ、経理と、管財、そして人事が、全く独立して、

同じ「コストカット」に挑んだとしたら…

そして、それぞれの担当役員が決裁権限を持っていて、それに従って

社長が事業方針を決裁したら?

これが数年続いたら、きっとその会社は間違いなく潰れてしまいます。


それは、…

基本的に、収支バランス、というか事業全体においての

事業の収支の連環の中で、そのコスト負担の必要性を考えないといけないのに、

個々の課題だけを捉えたら、そこには、結果的に、人件費の高騰と

人手不足と、仕入れ価格の上昇と、売り上げ不振に、多分陥ります…

まあ、これは、基本マクロ経済学と、経営学(基本的には総論)を眺めれば

自然なことです。


マンション管理の世界では、もちろん営利企業ではありませんが、

人の「経済的な」組織であることは、一般の企業と変わりません。

そこで「個人(一人ひとりの区分所有者)の利益」を追求して、

物事を「分権化のルールの下で決裁」し、そして、中期的(3~5年)にも

その時の権限者(管理者=理事長?)は責任を問われない、とすれば、

その呼応経年のマンション(団地)はどうなるでしょうか?

答は簡単ですね、10年ほど先には、「痛みを伴う解消」を

論じないといけなくなってしまいます。

まあ、個々の区分所有者がどういう行動を取ろうとするか、

まあ、沈みゆく豪華客船と同じです。もちろん救援はありません…


その中で、生き残るにはどうすればいいのでしょうか?

これは、30年前から日本の各地域の古い村落が経験してきたことを

参考にするしかありません。郊外のマンションは、

ただ、30年ほど遅れているだけです。そして、もっと悲惨なのかもしれませんが…


もちろん、これは、以前、かの松本先生のご主張の延長にしか過ぎないことですが…


先日の、マンション学会(WEB大会)で、発表の機会をいただき、

その記事を、新聞に取り上げていただきました。

管理組合のリーダーたちの平均余命を超える、ずっと先の期間の

マンション(団地)の在り方を、「合意」することは、実は、

きちんとした「組織の利益」を考えられないと、本当に難しくなります。

でも、残念ながら、将来、悲劇になっても、もう「決めた人」の責任を

追求はできません…


多くの高経年団地にお住いの皆さんが、この罠に落ちないことを

お祈りします。

2020年8月31日月曜日

老朽化かビンテージか?高経年マンションの将来

 前回、滋賀の老朽化マンションの行政による代執行の完了について触れました

確かに、アスベストの問題はあったかもしれませんが、

築40年以上のマンションでは、決して他人事ではありませんね


40年以上の高経年マンションに住む人たちの「高齢化」は

間違いなく進行しています。特に区分所有者の高齢化(65歳以上の割合)は、

余程立地の良いマンションでなければ、単純に経年数に%を付けたより

多くなっていると思います


一方で、「このマンションは80年は建替えせずにしっかりと維持していこう」と

例えば総会で決議したとしても…

70才の区分所有者でお子さんはもう独立し、自分の居を構えている、としたら、

この区分所有者の人は、現実に自身のマンションの40年後の姿を

思い描き、そして、何かを期待することができるでしょうか


当然、「あと10年から20年ここに住めれば…」ですよね。

そして、そこが空家がポツポツと出始め、売り物件がなかなかまとまらない

という状況になっていたら…

正直その区分所有者にとっては、「正直30年先はどうでもいい」でしょうね

さらに、年金受給の方も増加していますが、

その方々の収入は、当然に「現役時代の6~70%あればいい」ですね

まだ働ける方は、それなりに時間とお金がありますが、

少々体が弱ってきて、あるいは一人になって遺族年金だけでとか

そうなった時の生活の設計はどうなるのでしょうか…

単純に「修繕積立金の値上げ」には反対、一時金は「払えない」の一言ですよね


この状態で、これからお金をかけて、「窓サッシを更新しなければ」

と言っても可能でしょうか。もちろん、前に作った長期修繕計画には

折り込んでありますよ、5年後に戸あたり50万円の一金で、とか…

ということで、この実現は可能でしょうか?


確かに、「お金を借りてきて実施する」という選択肢はありますが、

そのあとの修繕積立金の積立予定が、返済をまかなえるだけなければ

現実には工事の実施は不可能ですね


そして、これをいくつか繰り返したら、

残念ながら「管理不全マンション」の仲間入りですね

それも間違いなく、多くの高齢の区分所有者の皆さんが生きておられるうちに…

最悪は、危険建物として行政の行政代執行による撤去

区分所有者の方々は結果路頭に迷われることにも…


さて、これを避けるためには、

マンションで、自分たちがちゃんと話し合って、責任を持って

「管理」を行わないといけません。「楽(らく)」ではなく「楽しく」

そして、20年後30年後でも、少なくとも「流通ができる」

マンションとして維持しないといけないのです

そうすれば、処分もできますし、採算を見込んで、

既に自分の家を持たれているお子さんでも、引き継いでくれるでしょう


では「そのためには何が必要か」と言えば、

「合意」とは言いますが、現実には「将来の財源」の確保以外にはないでしょう。

資金のメドが立てば、「健全な維持を行うための改修工事」への合意は

容易にできますが、もし不足額が大きければ…

「幻」ですね…

ここでどのような考え方が必要になるのかは

次回の記事で書きたいと思います。


2020年7月25日土曜日

老朽マンションの終末 ~不都合な現実~

この半年…
コロナ問題の中で、どうマンションの管理をしていくか、
どう管理組合を運営していくか…
役員でない人も、自分のマンションは大丈夫だろうか…
と、いろいろとお気遣いされてこられたことと思います

でも、コロナ禍に無事に耐えられたとしても…
数年前から言われている「管理不全」マンションの問題は、
消えてなくなったわけでも、
このコロナ禍が収束するのを、立ち止まって待っていてくれるわけでも、
もちろん、何もしないでマンションがリニューアルされることも
当然、ありませんね

「まだ『管理不全マンション』じゃないから大丈夫」
ではありません。前にも書きました。
『管理不全マンション』と言われるようにならないよう、
しっかりと管理して行かないといけません
でもお金をかければいいわけではありませんね

そして、「築10年だから関係ない」ということでもありません
あと20年ほどしたら、立派な高経年マンションですよね
そして、多くの区分所有者の皆さんが、年金生活者と
なられるのでしょうね…

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ということで、一つ、不安な記事がありました

今年の始め、滋賀県で、一棟の老朽マンションが、
行政の代執行として解体されることになった、と…

そして、先週のことです
この行政の代執行(解体工事)が完了した、ということです
滋賀県の9戸のマンションでした
1972年築(築45年超)、鉄骨造り、3階建
十分な手入れがされず、住む人もおらず
危険建物として指定され、行政からの撤去勧告を受けていたとか…

お分かりかとは思いますが、
解体勧告を受けたからと言って、簡単にはいきません
区分所有建物ですから、「解体」(=解消)は全員の合意が必要で
その費用は、露出のアスベストがあって…、ということもあり、
当初から1戸あたりの費用負担の見込みは 1000万円以上…
もちろん、売却広告を出してもこの物件は誰も買ってはくれませんね

そうです。結果として、この行政の代執行に至る以外の方法はなかったようです
多分、この区分所有者だった人たちには、
「最悪」の結果だったのですが…
(もちろん、全国でもこのような前例はなく、
このマンションの所有者の皆さんにもイメージは湧かなかったのでしょう)

でも、戸建てだから大丈夫、というわけでもありませんし、
今のマンションも「売り抜ければ」と、安易に考えてもいけません
現在、「住宅」は余っていますし…
今後の少子化傾向も収まる見込みもありませんし…

この記事によると、結果として掛かった費用は11,800万円、
1戸あたりでは、1,300万円以上、
解体費だけでですが、多分、地価もそこまで行かないでしょう
これが、自治体から各戸の所有者だった人に請求されるそうです

もし、皆さんがこの物件の所有者だったら…
(もちろん、この年数ですから、自身で買われたのでは
なかったかもしれませんが…)
どの様に対応されるでしょうか、一度考えてみてください
(もちろん、結果でなく、10年前に…、ということも含めて…)

とりあえず、今日はこのあたりで…






2020年6月27日土曜日

マンションの管理とコロナ禍問題⑦

コロナ対応も早半年ですね…

緊急事態宣言解除からはや1か月、
町には賑わいも戻ってき始めた感じもしますが

マンションで生活されている皆さん、
生活のスタイルに満足し、安心できる様になられたでしょうか…

3月から4月、どうにか感染しないようにと…
会議やサークルの活動は止め、共用施設の利用を禁止し
でも、これなら安全だろうという保証もない、
落ち着けない毎日だったと思います

一番怖かったのは、マンションの中に感染した人はいないのか
という不安で、エレベーターにも乗りたくない日々で
中には、管理会社に日常の清掃も取りやめとか…
それでも自宅に籠ることが一番と信じて…

その不安も、すぐになくなるはずと…

で、皆さん、いかがですか…
短い時間だったかもしれませんが、人のつながり、
地域のコミュニティを否定して…
「安心」「快適」な生活が遅れたのでしょうか…

マンションの中の、組織の意思決定、情報の交換
ちゃんとできていたのでしょうか。
でも、国も地元の行政も、これを「禁止」したわけではなく
すべて、「不要不急」のものは「自粛」してください、
そしてその判断は「自己責任で」でした。
その一方で、近隣での感染者発生の情報は秘匿されつつ
もし感染者があれば、消毒等はその建物の管理者で判断して
行ってください。でした…

そうです。必要な「会議」は開催し、感染者の発生状況等は
行政と折衝して何とか得て、管理組合で必要な対応を
することが求められていたのです。

そして、今一番の課題は、日常の活動の「再開」です。
現実に、新たな感染者は発生し、
一方で、テレワークも限界、多くの業種で収入も低下して
苦しんでおられます。「密」のみが感染の原因でもなく、
思ってもみなかった(経路不明の)感染も怒っています…
まあ、昔からの感染症と同じことです。

まずは、会議、会合、これは、積極的にWEBを活用して、
もちろんできない人には配慮して(「出られない人がいるから
議決は無効」とか言ってられないです)
自分のマンションの「合意」のスタイルを作らないといけません…

コロナ禍の中での生活を続ければ当然生活が破綻します。
収入の問題だけではありません。
新たな生活様式と言っても、それは「自己責任で」です。

必要なことは、マンションの中で、地域の中での
コミュニケーションの手段の確保です。
ネットで飛び交う「一番…」をまねるだけではいけません。
それは、物事を一面からしか見ていないからで…
そこから結果としてフェイクが生まれてくるのです…

よく考え、手段を選びながら近隣との適切な距離を持ちつつ
心地よい関係を続けること、
まあ、一人だけで考えず、相談できるところも
ちゃんと持っておくことですね…
残念ですが、人は一人で生きられるものではないですから…




2020年5月31日日曜日

マンションの管理とコロナ禍問題⑥

緊急事態宣言は全国で解除されました。
そして、人も、社会も、経済も少しづつ動き始めました。
人と経済はこの2か月間いろいろと論議されましたが、
こと「社会」については「距離」以外では何も話題がありませんでした。
おかしいですよね。本当は感染防止にも、ここが一番大切なことなのに…
地域の、そしてマンションでの適当な連帯感と安心感があってこそ
こういう感染症も克服できるのですから…

で、本題です。
こういった感染症問題とか、地震、水害などの危機の時に、
どう、マンションの管理組合や地域(団体)として、
メンバーの情報共有(当然「正しい」ものです)や、
合意形成、適正な作業分担を決めていくのでしょうか。

手段は、いろいろ提案されています。
LINEを使った連携、テレビ会議、など
今回、確かに相当普及したようです。
でも、まだ多くが書面会議による意思決定と掲示板での伝達を
メインにやられているようです。

もちろん、マンション管理組合の総会でも「ちゃんとやったよ」と
言われるところは多いでしょうが、
今年は、理事長と次年度の候補、それに役員等数人で開催し、
議決権行使書ベースでの成立での少人数参加の形でやられたところが
多いと思います。
もちろん、日ごろから住民間のコミュニケーションがしっかりと
取れているところでは、1年くらい別に問題はないでしょうし、
役員のみなさんとかの信頼も傷つかないとは思います。
でも、これは「審議」ではなく「採決」だけですから、
十分な事前の広報とかの活動がなければ、
法的には十分でも、組織の中では意味をなさないものになりかねません。

総会では、さすがに、マンションの理事会や管理会社提案で、
規約の改正(軽微なものを除く)とか、
長期修繕計画の見直しを、まあ住民説明会も(コロナで)開かず、
この少人数総会で決めたというところはないでしょうけれど、

もしあれば、将来、大変なことになるかもしれません。

理事会など、本当に審議、意見交換が必要な会議は
1~2回は流してもいいのかもしれませんが、
いくら会場が取れない、出席したがらない人が多い
とか言って、ずっと流して、業務を管理会社や、
理事長の専決で続けていてはいけません。
決議は?
全員のものが揃うのであれば、書面決議もできますが、
これは「決議」であっても「審議」ではありません。

ここでは、テレビ会議(WEB会議)が一番手ごろなのでしょう。
LINE、ZOOM、SKYPE、…
有料のものならもっと機能や効率の良いシステムもあります。
これらの会議システムは、ホスト(議長役が多い)は
それなりに大変ですが、参加するだけの側なら簡単です。
スマホ一つでもいいですから。

ても、ここでも、自分では参加したことがないから、
とか言って抵抗感から実施に反対したり、
実際に操作ができず入れなかったりで、
結構うまくいかなかったりするようです。

このテレビ会議ですが、別に必ず一人が1台の端末を
持つ必要はありませんし、操作が全くできない人が
加われないというものではありません。
そこは工夫次第で、
会議室に数人いて、プロジェクターで映像を
写しながら(ここでは端末は2台以上と考えてください)
一つで、ミュートにして全体を映し、もう一つの端末は
回して、発言用にするとか、
そして、会場に出られない人は、それぞれが端末をもって参加
(もちろん、どこかに2~3人集まって1台でも…)とか、
とりあえず、みなさんの声が同時に参加者全員に届き、
できれば顔(存在)が見えていればいいのですから

そして、これは、地震などの災害の際にも(通信機能さえ確保できれば)
相当に有効なものです。マンションだと物理的に数日帰ってこられない
という人がいても、少なくとも合意形成を止めずに進められるわけですから

そして、重要なことは、
「災害になったら使うんだ」といって途中一切忘れてしまうと
必要な時にトラブルになりますので、年に数度はテストというか、
オンライン飲み会でもいいので、適宜つないでみておくことです。

もちろん全メンバーでの必要はありませんが、全メンバーが自由に
テストをして、いつでも参加できるようにしておけばいいのです。
もちろん、画像だけではなく、年数度でも実際に顔を合わしておくことで
よりスムーズに動けます。
まずは、マンションで、団体で、心がけてみてください。

ということで、このテーマ、あと1回位でしょうか…

2020年5月12日火曜日

マンションの管理とコロナ禍問題⑤

今まで書いてきたこと…

コロナ禍で、
感染が広がることを防ぐために、
できるだけ接触を避けることが求められている。
ただ、ウイルスは簡単に消えてなくなるものではありませんので
この対応をいつまで続ければいいのかわからない。
もちろん、家の中にずっといれば感染しないわけでもありません…
耐えられる期間にも限界はあります。
更に、特定警戒地域では、現状解除見込みも立っていません…

また、マンションの管理や、地域のコミュニティ
色々と課題は発生してきます。
顔を合わさないでも済むものはいいのですが、
そうでないもの、課題を先送りすればすむものではないのです。
特に地域内の問題だと、
現実には、課題を先送りしたことで、
重大な局面になるとしたら…
その責任は国にも行政にも、三密を無くそうというお医者さんも
誰も責任は取ってはくれません。「解決」もありません。
そして、それで放っておいていいわけではありません。

国も行政も言っています。
「不要不急の外出は避けてください」
「不要不急の会合は取りやめてください」
「不要不急」って誰が決めるのでしょうか、
そうです、自分たちが判断するのです。そして…
必要な会合は開いて、必要な共同作業もしないといけないのです。
その「決めるため」の機能は動いているでしょうか…

実は、この機能が動いてないと、
このコロナにしても感染のリスクは減っていかないのです。
たとえ、今感染していないとしても、
ただ、耐えている時間を引き伸ばして、不安を高めているだけなのです。

これは、日ごろから、近所の人、同じマンションの人、
もちろん全員とでなくてはいいのですが、
ちゃんとしたつながりを持っていたら…
そして、メールでもスマホでも、意見交換ができていたら…
すぐにでも、顔は合わさなくても、
情報を交換し、やるべきことを決めることはできます。
日頃から、周りの日を信じられなくて、
あるいは「めんどくさい」と感じて、
この関係を作ってなかった人だったら…
当然に、正しい情報も、必要なサポートも、手に入りません。

確かに、こういう時に、この人たちは、
突然に、管理会社や、組合の役員や、あるいは行政に
クレームだけ言ってきます。
でも、残念ながら一切応えてあげることははできません。
そして、そのまま時間がたてば…
マンションも、地域コミュニティも、必ず壊れてしまいます。

昨年来の水害の報道などでの映像を思い出してください。
あの時に、家の屋根に一人取り残されて…
でも、今感染症問題では、
あの時のヘリのようなものはありません。
正しい情報がなければ、何年も人との接触を断ち
耐えていかないといけなくなるかも知れません。
将来、生きていればテレビの取材があるかもしれませんけれど…


そして、まずは、日ごろから
マンションでも地域でも、近くに住む人たちの
何人かと、そして、その役員の方の1人以上と
何らかの交流を作っておかないといけません。
もちろん、顔を合わせて、面白くない会議をやること
とは違います。LINEの友達でもいいです。
でもお互いが見え、その接点や話している内容が
広く一般に公開されてない状況でないといけないのです。
そう、メンバー間で正しい情報が保てる関係…
これが、必須です。親密さと信頼感ですね。
ちゃんとありますか?

そして、それがいくつかつながることで、
その地域のほぼ全員をカバーする。地域の役員さんの腕しかありません。
マンションの管理会社ができるものではありません。
もちろん国会議員だって…

この環境があることで、WEB会議の合意形成も、
自宅回りの清掃も、必要なことは手分けをして、
最小の負荷で環境を維持して、決めなければいけないことも
満足かどうかは別としてとりあえずはまとめておくことができるのです。

書面での意見交換は、正しく決めることはできません。
掲示は?、当然に一方通行です。
その中で、WEB会議については、今は、正式な会議として
常識的に認められています。ただ、物理的に参加できない人が
居なければなのですが…

この具体的な手法などを、次回に…




2020年5月1日金曜日

マンションの管理とコロナ禍問題④

さて、このコロナ禍の問題で何が?
「管理組合」だけの問題ではありません。自治会・町会があれば、
また、他の地域活動の組織があれば…
基本は同じ問題です。

多くのマンションでは、
「自分のマンション、団地にはまだコロナ感染者はいない」
という前提でいます。
一方で、その住人一人ひとりに対しては、
自分が、ではなくて、その相手が「感染しているかもしれない」、
として当たろうとしています。
その結果が今の対応ですね。
人が集まることは一切しない、集会ができる場所は閉鎖する、…
まあ消毒薬位は用意して、あとは管理会社さんお願いします。
じゃないですか?

さて、この前提では
普通の住人の方は、当然、マンション内に何人かの
感染された方がいて、管理組合の方、管理会社の方、
あるいはその他組織の役員の方は知っていて、
でも隠しているんだろう、って、疑心暗鬼になってしまいますよね。
もちろん、みなさん表向きは平静を保たれているでしょうけれど…

で、何かあったときにはどうされます?
本当に感染者の方が発生した、
あるいは、よく来られている宅配の配達員の方が…
とか、風の噂で伝わってきたら…

本当だったら、マンション・団地内でクラスター発生
かもしれませんね。どう確かめます?
そして本当に被害が出たら、だれの責任になるのですか?

行政?⇒ × 、管理会社?⇒ × 、町会長さん?⇒ ×
法的には別として、責任者なしではすまないですね。
もちろん、管理会社は、窓口の管理員さん、清掃員さん、など
マンションで仕事をすることを拒否されます。
でも、組合としても他の組織でも、受けるしかないですよね。
どうします?

その前に開催予定だった理事会、役員会、場合によっては総会、
人が集まることはできないから中止、できるようになったら…
で済むのでしょうか。でも、多くはそうされていますよね。

もちろん、ここでは、一般に理事長さん(管理者)が一身に
責任を負い、指揮をして、ちゃんとみなさんの協力のもとで
消毒から始まって、各種作業の手配、その他すべてを
やらなくてはなりません。コロナ禍が収まったら、じゃないですよね。
でも、日頃からの準備と打ち合わせがなければ…
ですよね。でも、理事長さん一人にできることではありません…

備えておくには、いろいろな会の理事会、役員会は、常に
実質的に開催できることが必要ですね。
もちろん、一堂に集まる必要はありません。
まあウェブ会議が開ければいいのですが、まあ、
理事長さんが適宜、関係のみなさんの意見を、
電話、メール等でも(後始末が必要なこともありますが)いいですから
まとめて、常に合意と役割分担ができるようにしておかない限り、

そして、広報担当の情報の管理
(伏せるのではなく、必要なところへの情報開示)を
行えない限り、安心も安全もありませんよね。

今までの「防災」では、感染病を想定されていた管理組合、
自治会等の組織はなかったはずです。

問題の状態になったときには、
もちろん、迅速、適切な作業が必要です。
(そして、自治体も、管理会社も、教えてはくれません。
      もちろん、普通の窓口では知らないのですから…)

幸運にも、今回感染者がなかったマンションでは、
これを、再発時の訓練だと思って、対応してください。
まあ、あとは、日ごろから行政にいろいろな接点を持っておくか、
専門家等にいつでも聞ける窓口を持っているか、
この点が重要になりますので。

今日は、この辺りで…



2020年4月16日木曜日

マンションの管理とコロナ禍問題③

コロナ禍の中で、マンション(管理組合等)として決める必要があること
当然ですが、国や地方自治体が示してくれるわけではありません。
今回は、このことについて…

会議室、キッズスペースなどの共用部分の使用を禁止しました。
玄関に消毒用アルコールを置きました。
理事会などの人が集まる会議は中止しました。
~多くのマンションでは、これで対策はおしまいです。
大丈夫でしょうか??

まず、前提として、マンション内には感染者はいない、これからも発生しない。
それでマンションを守るのなら、
それから、定期総会開催時期でもなく、工事関係など急いで決める
ことが何もないというマンションでは、これで耐えていてもクレームは
ないかもしれません。ですが…

東京都では感染者数が2,000人を超えてきました。
人口比では5,000人に1人くらいですよね。そして、特に体調に異変を感じていない
普通の方々は検査すら受けてない状態でですよね。
外国と違い、日本では1月から、もう3か月以上感染の問題は続いています。
まあ、「移す」心配のない人も含め、もう少し感染者は多いはずですよね。

そうです。数百戸のマンションでは、確率的に、1人や2人の感染されている方が
マンションの中におられるとしても間違いではないですよね。
あるいは、これから、マンションの外で感染してウイルスを持ち込まれる方も
発生する可能性があります。情報もなく、「気をつけましょう」ですまして
良いのでしょうか?
でも、先ほどの前提なら、そうですよね。あとで異変があったら、
管理組合の役員の皆さんは突き上げられることになりませんか。
管理会社のせいにしてしまえばいいのですか?
違いますよね。困るのはそのマンションに居住されている皆さんですから…

まず、感染者の情報です。 
勤務先(大手であれば)とか、クラスターの原因の店名などは公表されるようですが、
原則住所は公表されていません。普段通っていたクリニックでも、
その先生は知っているのでしょうが、公表されていませんよね。
外国からの帰国の状況も含め、管理組合(管理会社)もつかめてはいませんよね。
これで、その後、「マンションのエレベーターが原因らしいクラスターが発生」
とかがニュースで流れると…
もちろん、マンション名は公表されないでしょうが、
保健所とかが調べに来られるでしょうから、その時には、後の祭りでわかるでしょう。
実際の感染が始まって、1~2週間後のことになりますが…
管理組合が「知らなかった」ですみますか?数十人単位の感染者になっても?

まず、マンションの居住者についての感染者情報や、外国からの帰国の状況などは、
管理組合として把握しておく必要はありますね。
日ごろから、アンケート等行っているマンションなら、
今回、外国から帰られた方、とか、体調の問題を抱えている方とか、
匿名(棟やフロアくらいは表示してもらう)で調べることもできますよね。
それから、地域の民生委員の方とかには、当然に感染者情報はつたわっていますし、
その関係ができている場合には、把握もできるでしょう。

それから、ですが、管理組合として、ちゃんと情報収集と管理ができるように
しておかないといけません。理事長さんひとりでできることではないのです。
そして、マンションごとに個別の対策を決めなければならないのですが、
「会議室使用禁止」「理事会開催中止」で、いったい何ができますか??

ということで、この場合は、ネットの会議システム等で、
一つの部屋に人が実際に集まらなくても会議が成立するルール作り、
そして、組合内のセンシティブ情報の管理ルール等、決めておかないといけませんが、
こと、災害とかこのような感染症の際でないと具体的に動く方法、内容を
決めないと、事前に想定してもできないことしか決められなくて当然なのです。

そして、事後になって、一部のクレーマー組合員から突き上げられて、
大騒ぎになり、あるいは訴訟問題となって組合側が負けてしまうこともあるのです。
まあ、具体的には個別のセンシティブな問題ですが。
そしてこの、いわば管理組合としての「責任逃れ」が、震災等の大災害があった場合
「復旧のための給付金がもらえない」とか「復旧工事に着手すらできない」という
問題になってくるのです。クレームを言う人は「後のこと」ですから
何でも言えますが、結果住民全体の足を引っ張ってもなんの責任もありません。
それを、避けるためには、管理組合の日ごろからの緊張感と、
住民間の意思疎通を円滑に行える体制づくりが必要なのです。

その上での、管理組合(今回の場合は町内会・自治会等も)なのですが…

続きは次に…



2020年4月10日金曜日

マンションの管理とコロナ禍問題②

コロナウイルスについては、
東京都他に「非常事態宣言」が発令する事態となりました。
そして、感染者が見つかる事例数も急増しています。
それも、多くが「感染経路」不明とされています(当初ですが…)。
しかし、実は、それ以降の情報は開示されていません…

マンション(管理組合)においては、
「三蜜」は避けましょう、と広報しました。
人が集まる施設は閉鎖したし、会議は中止にしたから
これで「当マンションは大丈夫、安心です」…
これで完璧です。
としているところが多いようですが、本当に大丈夫でしょうか?
ここまで、前回書きました。

何が問題なのか?
まず、「自分のマンションには感染者はいない」
「人のマンション内での接触を断っているから、
   新たな感染者は入ってこない」
だから、住民が我慢していたら、そのうち解決する。
このHAPPY ENDを前提にしていませんか?
ということです…

まず、このコロナ禍、実は、いつまで続くかがだれにもわかりません。
現在の感染者の把握状況も、公表されているものは
決して最新のものではありません。

必要なことは、まず…
◎現状の、最新のマンション内の感染者の有無(状況)を把握すること
◎もし、感染者が居住者内に発生したらどういう対応を取るのか
◎必要な「情報の共有」をどうやって行うのか
これらのことをちゃんと決めておかなければいけません。

そして、例えば2020年度に大きな工事を予定した場合、
その準備や進捗をどう進めるかの問題もちゃんと協議しておかないと
あとで大変なことになります。ただ、延期すればすむものではありません。
来年の工事にすれば、費用が大きく上がることもあって、…
内定自体を業者側から取り消されることもあれば、この状況ですから
事業者も仕事を続けることができなくなってしまうこともあります。

総会は?
4~6月に開催されるところが多数ですが、本当に開催できるのでしょうか?
もしできなかった場合、どう対応すればいいのか?

これらのことは、「黙っていても管理会社がやってくれるから…」
「ちゃんと行政からの指示や連絡があるから」
期待してはいけません。あとで「理事長さん、どうしましょう?」
って聞かれるだけになりますから。
もちろん「管理組合」だけではありません。防災組織や町会・自治会だって
事の重大性は別として、同じ問題を抱えています。

これらを、すべて「安心」にできるには、
実は、この機会に、よく話し合って、マンションの中で話し合って
マンション内での方向性をちゃんとまとめ、広報しておかなければいけません。
(もちろん、正式な理事会開催でなくてもいいかもしれません
  その時のために「管理者」の制度が決められているのですから、
     そして、そこはそのマンション内の文化なのですから)

例えば、マンション内で感染者が出たらしい、とのうわさが出たら、
エレベーターは感染リスクが高いと言われていますが…
例えばタワマンで、「エレベーター使用禁止」なんてできますか?
低層階の人は、「すぐに実行するように」と当然言いますよね!

まずは、管理組合の中で、会議が開ける(準、でもいいです)ことの
体制作りです。(今の時代、法令できちんと決められている場合を除き、
別に、全員が一つの部屋に入らないと「出席」に扱えない、なんてことは
ありません)
会議は、複数の会場で同時開催も可能ですし、ネットを活用したもの
も可能です。「誰かできない人がいたら」まず誰かが言います。
そして、多くがあきらめて、すべてを停滞させてしまいます。
実は、仙台で、熊本で、震災復旧に関しても多くのマンションで
問題になりました。あまり大きく取り上げられてはいませんが…

このコロナ禍も近いものがあります。せっかくの機会です。
まずは、マンションで役員を中心に話し合い、正しい情報を
共有できるように、「話し合いを行う」場所(ルール)を作りましょう。

どんなことを決めるのか、何をすべきなのか…
これは、その次に、しかし至急に決めることになるのですが、次回に…


2020年3月28日土曜日

マンションの管理とコロナ禍問題

今年の初めから続いているコロナウイルスの問題で
みなさんも非常な不安を抱えられておられると思います。

もちろん、そこで生活されている方で、今後感染しないように、
とかには、国や各自治体の広報や、多数のメディアで「注意事項」が
多く出されいます。
「不要不急の外出はしないでください」「換気は十分に」
「適当な運動の為公園等で体を動かすことは必要」
「多くの人が集まる所へは出ないように」・・・
一つ一つの注意事項は確かに正しいことなのですが、
これらは、当たり前ですが、近くに感染されている人が
いないことで、そして、自分が感染しないための事項ですよね。

では、もし近くに不幸にも感染された方が出たら、
あるいはごく最近、海外から帰国され感染している可能性がある人が
おられたら、どういう対応したらいいのか、
現実には何も示されていません。当然に疑心暗鬼になりますよね。
毎日感染された方の数は公表されていますが、
お住いやお名前は分かりません。当然ですが…

これから、「マンション」の話です。
東京近郊、阪神間の各地域のマンションに住まわれている方には、
日常の生活に関わるこれらの注意事項にどう対応されていますか?

当然、自分の住んでいるマンションには感染者(疑われている人も)は
いない、そして自分や家族も感染していない、
これを前提に、前記の各注意事項に従うしかないですね。

ここでの課題です。
「自分の住んでいるマンションに感染者、疑義者はいない」
という情報の裏付けをどうやってつかむのでしょうか。
実は、日頃の余程住民間の交流が進んでいるマンションでない限り
その情報は入りませんよね。
一応は、今発表される感染者はまだ人口比極めて小さいです
多分公表された感染者はいないと判断してもいいでしょう。
でも、これは実は1~2週間前の数字だということも重要です。
最近ヨーロッパやアメリカから帰ってきた人が
何人かおられる所は、当然に普通ですよね。
こういうことの情報入手も含め、どのように対応を考えられますか?

そうなんです。ここでは、特に多くの人が集まって住んでおられ、
隣との住戸の距離も近いマンションでは、
やはり、「管理組合」の力に頼るしかないですね。
もちろん、この部分を町内会などに任せている、
というかお願いしているところでは、そちらで動かれてもいいのですが。
でも、現実は難しそうですね。

そうなんです。今は「災害」の真っただ中なのです。
そして、風水害や震災のように、その被害というか「結果」が
すぐに把握できない(目に見えにくい)特殊な「災害」なのです。
そしてもし不幸なことになれば、
「全員2週間の隔離」とか、最悪「マンション内でクラスター感染」
という事態も可能性はゼロではないのです。
ちゃんと前記の注意事項を守っていてもです。

一言で言えば、
「人が集まるところに出るな」
「そういう会議を含むイベントは中止しよう」と言っても

マンションでは
「ちゃんとそこに住んでいる人たちで、
『正しい情報』の共有をして、そしてまさかの時の
対応方法を話し合っておく」
ことが必要なのです。そして機会は今しかありません。

「理事会」や「総会」などを「とにかく中止しよう」って
叫んでいるだけではいけないということなのです。

その対応については、次回に…

2020年2月28日金曜日

マンションの管理不全問題で考えること

ようやく書き込みの時間が取れました…

高経年のマンションの増加は続いています。一方で、国等が押している
マンションの建替えは一向に進む気配ではありません。
でも、では高経年マンションで、今後の方向性をまとめることについても
なかなか合意が作れるかというと、そうでもないようです。

ただ、多くの高経年のマンション(特に公団等が分譲した団地)では、
「建替えしない派」はもちろん多数を占めているようですが、
少なくとも、最小限の工事実施で現状を維持するだけでは、当面80年~100年
まで、マンションを維持することも難しいということが理解されるようにも
なってきたようです。もちろん、落ちこぼれれば「管理不全」ですよね。

マンション管理に関しては、昨年から引き続き「管理不全」の問題が
大きくなっています。建替え、長寿命化改修の課題も、
基本は同じくくりであって、このあたりを包み込んでということですが。

この「管理不全問題」について、先日、次回の日本マンション学会の
大阪大会に向けた原稿を何とか仕上げたのですが、
その中で少し感じたことがあります。いくつかの団地型マンションの
空家リスクについての状況を扱ってみたのですが…
そこに見えてきたことが…

もちろん、築50年ほどの各団地マンションは、現在はまだ「健全」に
管理されています。よく言われる配管設備の改修工事もきちんと進んで
いるようです。でも、これだけではマンションの将来が、
当然安心できるものではありません。

これらの団地マンションでは、現在の組合役員の皆さんは、多くが
昭和の時代から、「永住できる(住みごこちのいい)マンション」を
目指して、長年(もちろん連続ではないことが多いですが)役員を
努められ、その団地の隅々まで把握されている方々です。

その皆さんが把握されている現況は…
「マンションの区分所有者の皆さんの高齢化」「特に若い世代からの
役員のなりて不足」「マンション管理に興味を持つ人たちの減少
(総会で特別決議事項が可決できない」そして、何より、「頼りになる
参考事例が把握できていない」ということです。経験豊かですから、
この点は正確に理解されています。

ただ、ここの問題に対する「適切な回答」というか、
模範的な対策が成功している事例はほとんどありません。
従って、過去に「団地の優等生」と言われるぐらいに、
環境整備を実現された皆様には、特に自信があるがゆえに、
昔の、「とにかくやってみよう」という姿勢が取れないのです。
「失敗すること」が怖くなっているのです。そして、30年前と違って、
今から30年後の生活を、70歳を超える方が多数を占める理事会では、
具体的にイメージすることも難しいのです。

それでも、将来の答えは必要です。
「建替え」か「きちんと改修、アップデートしての長寿命化」か、
あるいは、悲しけれども「負担を伴う解消か」…
残念ながら、改修費を押さえて(現状維持以下、劣化、陳腐化を認めながら)
それでも、あと30年、50年存続することは、ほぼできません。
建物は持っても、住む人がいなくなるのです。

これが現実なのかなと感じました。
もちろん、対応方法はあると思います。
「初心に帰ること」なのですが、この続きは、また書こうと思います。