最近の訳が分からない忙しさで、3カ月ぶりにやっと投稿の時間を作ることができました…
ここ数年、いろいろと高経年の、区分所有者、住民が高齢化していると言われる
郊外型団地の「長寿命化」の問題にかかわっています。そして、長く続くコロナ禍の
影響もあり、この団地の問題の複雑さがより実感できました。
最初は、建物設備の問題からでした。そして、その維持費用の高騰、
バブル崩壊以降の景気の停滞、それに加えての少子高齢化の進行…
そして近年は「合意形成」の課題がクローズアップされています。
数年前には、マンション管理の世界には「コミュニティ」は無縁なこと。
財産(換金できるもの)の管理には人の心はいらないというような
私としては「愚説」と感じるような話がまかり通っていましたが…
もちろん、この話には説得力はありました。しかし、それは、上記の
様々な課題を、それぞれ別の課題として、別の人たちが論じてきたということに
現実との乖離を生む原因があったと感じます。
例えば、これが一つの(事業)会社だったとしたら、
営業(販売)と仕入れ、経理と、管財、そして人事が、全く独立して、
同じ「コストカット」に挑んだとしたら…
そして、それぞれの担当役員が決裁権限を持っていて、それに従って
社長が事業方針を決裁したら?
これが数年続いたら、きっとその会社は間違いなく潰れてしまいます。
それは、…
基本的に、収支バランス、というか事業全体においての
事業の収支の連環の中で、そのコスト負担の必要性を考えないといけないのに、
個々の課題だけを捉えたら、そこには、結果的に、人件費の高騰と
人手不足と、仕入れ価格の上昇と、売り上げ不振に、多分陥ります…
まあ、これは、基本マクロ経済学と、経営学(基本的には総論)を眺めれば
自然なことです。
マンション管理の世界では、もちろん営利企業ではありませんが、
人の「経済的な」組織であることは、一般の企業と変わりません。
そこで「個人(一人ひとりの区分所有者)の利益」を追求して、
物事を「分権化のルールの下で決裁」し、そして、中期的(3~5年)にも
その時の権限者(管理者=理事長?)は責任を問われない、とすれば、
その呼応経年のマンション(団地)はどうなるでしょうか?
答は簡単ですね、10年ほど先には、「痛みを伴う解消」を
論じないといけなくなってしまいます。
まあ、個々の区分所有者がどういう行動を取ろうとするか、
まあ、沈みゆく豪華客船と同じです。もちろん救援はありません…
その中で、生き残るにはどうすればいいのでしょうか?
これは、30年前から日本の各地域の古い村落が経験してきたことを
参考にするしかありません。郊外のマンションは、
ただ、30年ほど遅れているだけです。そして、もっと悲惨なのかもしれませんが…
もちろん、これは、以前、かの松本先生のご主張の延長にしか過ぎないことですが…
先日の、マンション学会(WEB大会)で、発表の機会をいただき、
その記事を、新聞に取り上げていただきました。
管理組合のリーダーたちの平均余命を超える、ずっと先の期間の
マンション(団地)の在り方を、「合意」することは、実は、
きちんとした「組織の利益」を考えられないと、本当に難しくなります。
でも、残念ながら、将来、悲劇になっても、もう「決めた人」の責任を
追求はできません…
多くの高経年団地にお住いの皆さんが、この罠に落ちないことを
お祈りします。
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