2020年12月7日月曜日

高経年、人口高齢化マンションの現実?

 最近の訳が分からない忙しさで、3カ月ぶりにやっと投稿の時間を作ることができました…


ここ数年、いろいろと高経年の、区分所有者、住民が高齢化していると言われる

郊外型団地の「長寿命化」の問題にかかわっています。そして、長く続くコロナ禍の

影響もあり、この団地の問題の複雑さがより実感できました。


最初は、建物設備の問題からでした。そして、その維持費用の高騰、

バブル崩壊以降の景気の停滞、それに加えての少子高齢化の進行…

そして近年は「合意形成」の課題がクローズアップされています。

数年前には、マンション管理の世界には「コミュニティ」は無縁なこと。

財産(換金できるもの)の管理には人の心はいらないというような

私としては「愚説」と感じるような話がまかり通っていましたが…


もちろん、この話には説得力はありました。しかし、それは、上記の

様々な課題を、それぞれ別の課題として、別の人たちが論じてきたということに

現実との乖離を生む原因があったと感じます。


例えば、これが一つの(事業)会社だったとしたら、

営業(販売)と仕入れ、経理と、管財、そして人事が、全く独立して、

同じ「コストカット」に挑んだとしたら…

そして、それぞれの担当役員が決裁権限を持っていて、それに従って

社長が事業方針を決裁したら?

これが数年続いたら、きっとその会社は間違いなく潰れてしまいます。


それは、…

基本的に、収支バランス、というか事業全体においての

事業の収支の連環の中で、そのコスト負担の必要性を考えないといけないのに、

個々の課題だけを捉えたら、そこには、結果的に、人件費の高騰と

人手不足と、仕入れ価格の上昇と、売り上げ不振に、多分陥ります…

まあ、これは、基本マクロ経済学と、経営学(基本的には総論)を眺めれば

自然なことです。


マンション管理の世界では、もちろん営利企業ではありませんが、

人の「経済的な」組織であることは、一般の企業と変わりません。

そこで「個人(一人ひとりの区分所有者)の利益」を追求して、

物事を「分権化のルールの下で決裁」し、そして、中期的(3~5年)にも

その時の権限者(管理者=理事長?)は責任を問われない、とすれば、

その呼応経年のマンション(団地)はどうなるでしょうか?

答は簡単ですね、10年ほど先には、「痛みを伴う解消」を

論じないといけなくなってしまいます。

まあ、個々の区分所有者がどういう行動を取ろうとするか、

まあ、沈みゆく豪華客船と同じです。もちろん救援はありません…


その中で、生き残るにはどうすればいいのでしょうか?

これは、30年前から日本の各地域の古い村落が経験してきたことを

参考にするしかありません。郊外のマンションは、

ただ、30年ほど遅れているだけです。そして、もっと悲惨なのかもしれませんが…


もちろん、これは、以前、かの松本先生のご主張の延長にしか過ぎないことですが…


先日の、マンション学会(WEB大会)で、発表の機会をいただき、

その記事を、新聞に取り上げていただきました。

管理組合のリーダーたちの平均余命を超える、ずっと先の期間の

マンション(団地)の在り方を、「合意」することは、実は、

きちんとした「組織の利益」を考えられないと、本当に難しくなります。

でも、残念ながら、将来、悲劇になっても、もう「決めた人」の責任を

追求はできません…


多くの高経年団地にお住いの皆さんが、この罠に落ちないことを

お祈りします。

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