2021年3月7日日曜日

高経年マンションの持続性について①

 高経年で居住者が高齢化したマンションの

今後の「持続」というか「継続性」の問題が次第に重くなっています。

建物設備の健全な維持の不安、役員のなりて確保、

高齢者の見守りや居住する子供のケア、

そして災害時の対応など、一番大きいのは維持費用の負担の増大…

このあたりの2~3つに当てはまるようだと、

今問題になっている「管理不全マンション」あるいはその予備軍と

なってしまいます。


ただ、多くのマンションでは、このような課題について

任期が1~2年の理事会で、一つづつをそれぞれ別の課題として

捉えて論議したり、あるいは、管理会社の提案を待っているだけだったり

という状況になっています。また、費用負担の問題については、

ただそれぞれの区分所有者の問題であって、管理組合では

一定割合の区分所有者にとって無理な負担であっても

ただ値上げの総会決議を通しさえすれば、と安易に考えています。

多くの管理会社も、この方向に走る管理組合を後押ししているようです。

そして、ここの区分所有者のみなさんも、多くが、この傾向を

仕方ないものととらえているようです。


この結果は、たとえば、築40年を越えたマンションで、

窓サッシの更新工事をペアガラス化で計画する場合でも、

この提案の際に、

「うちのサッシはまだ壊れていない、高額の費用(戸あたり100万円程)を

負担して、全体の工事は必要ない。お金があるのなら修繕積立金を下げろ」と

大声で言ってしまう区分所有者もかなりの数でみられるようです。

そして、これが怖くて、その時の理事会が、管理会社が

ひるんでしまっていることもあるようです…


ですが、こういうことを言っている方の部屋でも、

サッシの劣化は進んでいて、閉じていてもなんとなく隙間風が入って来たり

強風が吹けばカタカタと音がしたりしているのです。

ただ、開閉は(重くても)できて、出入りにも支障なく、

というだけという実態だと思います。

ただ、そのマンション内の一部の部屋では、サッシの状態が

もっと深刻になっている場合もありますし、残念ながら、

築50年前後になれば、かなりの部屋でサッシには不具合が出てきます。

その時になって工事をすればいいって、

ほぼ全部の部屋で具合が悪くなるまでは、それは70年~80年と

かかってしまうでしょうし、

いま70歳代の居住者が、「20年後にサッシを快適にしますから、

毎月1万円づつ積立金を積みましょう」って言われても、当然に

賛成なんかしてくれませんね。


でも、こういう問題を「うちのマンションにはないこと」

として、毎年の理事会が申し送っていく体質があるからこそ、

そこには、「役員なんかやりたくない」「どこかいいところがあったら

賃貸でもいいから引っ越そう」とか考える区分所有者が増え、

そして、全てを管理会社のせいにして逃げようという雰囲気になるのです。


こんなマンションに「長寿命化」と言っても、

近い将来にそこに住む人がほとんどいなくなることくらい

容易に考えられますよね。

こういう問題について、これから何回か、書いていきたいと思います



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