2018年12月24日月曜日

マンション管理への参加意識の低下(高経年マンションの悩み)⑤

 「マンション」貴重な財産です。そして、将来もそうであってほしいです。
 それは、マンションに住む人、住んでなくても持っているだけの人にも共通の希望だと思います。
 でも、「今、価値があれば、しばらく内に売ってしまうんだから、先のことはどうでもいい」、「今のまま、さらに古くなっても、誰か喜んで住む人はいるよ、放っておいていい」、実は多くのマンションの持ち主の方々が無意識で持っている姿です。これが、少子高齢化で住宅の余っている現在、将来に、適切なイメージでないことは、冷静に考えればおわかりでしょう。
 そして、「将来は不動産価格は落ちるのだから、今のうちにいい物件に移りましょう」という、業者さんの都合のいい論理に上手くつながって、そう、多分「価値」は蒸発してしまうでしょう。「負の財産になる」かもしれませんね。でも、「マンションの向かう方向」を決められるのは、そこに住む人の「思い」だけなのです。

 そう、「いいマンションにしよう」という合意ができ、そして、区分所有者、居住者のみなさんの積極的な関りがあるマンションでは、共通の「夢」が生まれます。そしてそれに向かおうとすれば、かなりの確率で実現はできるでしょう。そこは、いつまでも、多くの人たちが「住みたい」と思い、「次世代に受け継ぎたい」と思える、「いつまでも『価値のある』いいマンションであり続けるでしょう。
 では、「誰かがやってくれるから…」と思っている人の多いマンションでは?そうです、ある程度具体的な「夢」も生まれません。誰も努力はしてくれません。外からも「あのマンション、面白いから住んでみたい」と言う人もあまり生まれません。その後はどうなるのか?まあ、おわかりですよね。しばらくは管理会社の貴重な収入源になり、そして、不動産業者の道具に使われて…、そう、最後は「お荷物」ですよね。

 「前者になるマンションがどこか教えてほしい、そこを買うから」実は、多くの人は考えています。それが実体です、が、今まで書いた通り、そんなことは何も決まっていないのです。どのマンションも「前者になるチャンス」があり、そして「後者に落ち込むリスク」も持っているのです。
 現実は、この方向を決めるのは、今そのマンションを持っている「あなた」だと言う事です。もちろん、一人でできる事ではありません、「合意」があって始めてできるのですが、「合意」のもとは「採決」ではなく「提案」から始まっていくのです。そして、「合意」を作るための世代を超えたコミュニケーションの基盤、そこでできた「議案」を総会で可決できて、そう、「実現」していくのです。「トライ」しないところに「実現はない」、何も提案も努力もしないマンションにバラ色の「夢」があるところはなく、団結して「夢」を追える環境が将来を作っていく、これが、特に高経年マンションを維持するための現実なのです。

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