「古いマンションだから仕方ない」「若い人たちは管理に興味がない」、高経年の精いっぱい頑張っておられる高齢の役員さんたちはよく言われます。そして、多くの場合管理コストを下げるために、そして自由になる時間が多少ともあるので、役員の仕事をどんどん増やして、本当にマンションの将来を考える暇を無くしてしまっています。
そして、結果として目先(今後2~3年先)の管理コストをカットしようとさらに考えます。そして、他のマンションとの情報面の交流も負担に感じて閉じようとしてしまいます。そして、同じように出口のないトンネルに入ろうとしてしまいます、これが感想です。そして、落ち着くところは、「このマンションもみんな高齢になってしまってしまったから、自分が生きている間だけ維持できればいい」となってしまうのです。これは、問題の先送りで「次の世代に大きなコストの負担を先送りしている」とか「若い世代が寄り付かず空家が増え維持ができなくなる」という将来につながってしまいます。
実際は、多くのマンション(団地)の場合、役員の皆さんは高齢でも、区分所有者、住民の皆さんは決して高齢者ばかりではありません。高齢化率が全国平均より少し高いくらいで、若い子育て世代の方も相当数住んでおられることがほとんどです。ただ、高齢の役員が活動をされる平日日中には顔が見えないだけなのです。
では、必要なことは何でしょうか。そうです、高齢の役員の皆さんが、そのマンションを買われた時、そう現役でバリバリ働きながら、大きな夢をもってマンションの管理運営を行っていた時代(というか、それを見ていた時代かもしれません)を思い出すことが必要です。日中にいろいろ雑用をやってくれるお年寄りはほとんどいない、仕事の合間を縫って、「少しでもいいマンションにしていこう」と、いろいろと活躍された時代です。入居して、まずやられたことは、少しでも仲のいい仲間を見つけ、このマンション(団地)の将来を、飲みながらか語り合うことだったはずです。そして、そこから、管理に参加しようかなという意識につながっていったはずです。
マンションは、区分所有者、居住者の皆さんの多くが、積極的に管理に参加することでのみ活性化でき、「将来」を夢見ることができるのです。「管理に参加」と言っても、別に役員の活動を頑張ることだけではありません。近所の人たちと、住んでいるマンションの環境や将来性を少しでも話し合えて、そして広報や総会議案に目を通し、積極的な意識で総会に参加する、あるいはちゃんと議決権行使書(委任状ではありません)を提出すること、これから始めればいいことなのです、あるいはできる環境を作ることです。それが、サークルになり、研究会を作り、そして、その核となるメンバーが将来の役員候補になっていくのです。時間はかかります。最低5年先を考えてください。それを、「抽選で、輪番で役員は出てくるから心配はいらない」とか言っているから次世代につなぐ管理の後継者が育たないのです。そして、「若い人は興味がない、好きなようにやらせればいい」と言って逃げて行こうとするから今の姿になってしまったのです。
とはいっても、何もしなければ解決はできません。やることは、まず、マンションの中に、若い世代のファンを作り増やしていくことです。積極的なアプローチが必要です。紙の広報を配布しているだけではいけません。それから、そのマンションの大きな「夢」を作ることです。10年先ではなく最低30年先かそれ以上です。「目標」と書くと平然とマイナスにしてしまいますが、そうではなくできるだけポジティブな、ほんの少しだけ叶いそうな「夢」でいいのです。ここから始めれば、少しずつ、賛同する若い居住者が増えてきます。そして、ネットなどで外に「ここはいいマンションです」と積極的に配信してくれます。これがスタートです。
この先、どうするかは次回にして、今日はこのあたりで…
で、もし、この初動ができなければ?マンションのスラム化のリスクが大きくなっていくだけです。
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