まえの投稿から、少し時間が空きましたが、復習も含めながら続きです。
「マンションの管理は、そのマンションの中で時間の余裕のある人だけが行えばいい。そして、作業はできるだけ費用を押さえるために自分たちの手でやるほうがいい」これに、「自分たちのマンション(団地)を一番よく知っているのは分譲当初から住んでいる自分達しかいない」
高経年マンションで、「後継者問題」というか、役員のなり手不足、総会の参加率(委任状を含め)低下に悩む高経年マンション(団地)の多くで、まことしやかに現役員の皆さんが語られていることです。
更に次の言葉が加わることがあります。「他の団地も苦労しているようだがあまり成功例はない、わざわざ話を聞く必要はない」「自分たちのマンション(団地)のことをあまり外で話すと値段が下がるから外には話すべきではない」もっともらしい言葉ですが、少し冷静に考えるとこれが詭弁であることはすぐわかりますよね。この言葉、結構長年付き合っている管理会社の担当者から焚き付けられていることもあるようですが。
確かに、これから1~2年のことを考えれば、非常に効率よく、コストパフォーマンスもいい管理の活動の仕方であるとは思います。しかし、これからさらに30年~50年そしてそれ以上をマンション(団地)として継続させていくことを考えた時に、正当な事でしょうか。例えば、今70歳の理事長さん。50年後の自身のマンションの管理の先頭に立ち続けられるのでしょうか?これを突いた時には、少々不機嫌に、「その時は、その時の組合員達のいいようにやればいいんだ!」と返ってくることがほとんどです。
愚痴をこぼしてしまいましたが…
これだけ見れば、問題点の所在と解決方法、見えてきませんか?
特に後の2例、「他のマンション(団地)では、真似をするような成功例はない」と「自分たちのマンション(団地)の話を外でしたら価値が下がる」、これは悪徳不動産業者の喜ぶ話です。高経年マンションの再生検討事例、相当積み上がってきています。成功事例は確かに少ないです、そしてその継続が出来ているところも本当に限られています。そう、そしてその事例は到底真似ができないほど高尚ですね。一方で、他のマンション(団地)との交流を持たないところでは、実は、同じような課題が解決できないで再生検討が行き詰っています。
そうです。大事なことは、「できるだけ多くの、いわば失敗談を集め、そして、同じことはやらない、少なくとも自分のマンション(団地)に適合した方法(取り組み内容)に変えて挑戦してみる事」ですね。そう、失敗談を交換できる、相当深い交流ができるマンション(団地)がないと実現できません。
「情報を隠したらマンション価値が維持できる?」冷静に考えれば、本当にばかげた論理ですよね。マンションの価値(値段)が上がっていくのは、簡単に言えば、そのマンション(団地)の部屋を買いたい人が、売りたい人を上回っている時ですよね。そして、「買いたい」人は多くがマンション(団地)の外の人ですね。いいことも悪いことも含め、情報がないマンション(団地)を進んで買おうという殊勝な人たちが本当に居るのでしょうか。住宅が余っている現代、少なくとも「そこに住みたい人」は手を挙げませんね。そうです「情報を発信できるマンション(団地)」しか、これからは価値を維持し、そして引き上げていけないはずです。そうです、それも、ネガティブ情報を上手に脚色でき、それをもメリットに変えられるような(もちろん自虐ネタにも見えますが)所でないといけません。高経年マンションには実は強い味方がいます(使い方ですが)。そうです、そのマンション(団地)で育ち独立していく若い世代の住人達(元の住人を含む)です。彼らに、ちゃんとマンションの管理手法を伝授しておけば、本当にそのマンション(団地)の強力なセールスマンになってくれるのです。
現在の高齢の区分所有者が、そのバックのなるハード面を中心に精一杯維持とランクアップに努めていくことは欠かせないですが。それも「自分の生きている間」ではなく「30年後も時代の先を行く機能とデザインで」なのです。これがしっかり噛みあったマンション(団地)はきっとあと100年、200年と継続していけるでしょう。
今日はこの程度にして、つづきは次回に書きます。
0 件のコメント:
コメントを投稿