最近、給排水管設備の改修に関する研修会にいくつか参加してきました。
8月28日 第40回千葉市マンションセミナー
9月16日 千葉市マンション管理組合協議会 第21回建築・設備問題研修会
そして昨日 マンションコミュニティ研究会 第63回勉強会
どれも、マンションを適正に維持していくためには、専有部分の配管や給湯管も含めて、マンションの設備の改修を適正に行うことが鍵になる。と言うことでした。
「お金がないから」「合意が難しいから」、ひどい場合は「外から見えないから」…、自分が役員の時は黙って何もしないで、とりあえず次の役員に送っておけばいい。
これが何年も続いて先送りさせている管理組合も多くあるように感じます。
間違いのないこと、配管の劣化は止まってくれません。そして追い込まれた時にはもはや手に負えなくなってしまう。なんだか「癌」のようですね。
そう、早期発見、早期対応が、結果的にコストも最少になり、マンションの将来につながります。そして、「専有部」、「個々の区分所有者が勝手にやるからいい」では、常識的に半分以上の区分所有者が手を付けず、事故頻発から資産価値の低下につながってしまいます。まあ、わかって管理しているマンションの結果であれば自業自得と言えますが、多数の管理組合は、そして区分所有者は、ほぼ意識していないようです。
「千葉市セミナー」では、給排水管の更新工事を行う時の、特に専有部工事を伴う時の留意事項や、管理組合としての合意形成や、工事の進め方。(講師は藤木亮介先生、マンション改修設計の実務では最先端の取り組みをされています)
「建築・設備問題研修会」では、マンションが計画的に修繕工事、再生工事を行っていくうえでの、計画への折り込み方、必要となる工事(工法等)の選択、そしてその工事の準備(合意)のこと、これらについて調査事例を通じた詳しい解説(講師は山本育三先生、言わずと知れた、マンションのハードの問題に長くかかわられた、長年実務面での第一線に立たれている研究家、建築家です)
「コミ研勉強会」では、築30年未満のマンションの設備改修の課題について。素材の管材の進化の過渡期にあったマンションの留意事項と、工事を行う上での諸注意事項。(講師は町田信男先生、数少ない実務に詳しい設備建築士です)
マンションの長寿命化を成功させるには、鍵は給排水管を中心とした設備をどう適正に行っていくか、そしてそれは共用管だけではなく専有部内の配管(通常ここまでしか目がいかないですが)、そして、それにつながるキッチン、バス、トイレの設備を、どうきちんとリニューアルしていけるかにあります。共用管と一体の工事ができる専有管の改修は、管理組合の適正な計画的な取組が必要ですが、専有部の機器になると区分所有者の皆さんへの動機づけが必要になってきます。そして、十分すぎるほどの準備の時間も必要です。
「管理組合は専有部には触れられない」正しいようですが、実は、専有部に対しては「必要で区分所有者にとって有利になり得る情報をきっちりと提供すること」が重要になります。そして、選択をしてもらうことです。専有部でも劣化対応を行わなければ事故につながるものはできるだけ一体で、管理組合が主導して行われなければなりませんが、やはり各区分所有者の権利と利益、そして選択の自由は、他の区分所有者に損害を与えない限りにおいて尊重されなければなりません。
大変ですが、黙って先送りしていてすむことではありませんね。
マンション管理では、大事なのはいつでも相談に乗ってもらえる専門家(できれば外部がいいですね)がいる事です。でも、誰がいいのかわからない、こんな時には近くのマンション管理士に、というのも選択肢です。
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