2020年4月16日木曜日

マンションの管理とコロナ禍問題③

コロナ禍の中で、マンション(管理組合等)として決める必要があること
当然ですが、国や地方自治体が示してくれるわけではありません。
今回は、このことについて…

会議室、キッズスペースなどの共用部分の使用を禁止しました。
玄関に消毒用アルコールを置きました。
理事会などの人が集まる会議は中止しました。
~多くのマンションでは、これで対策はおしまいです。
大丈夫でしょうか??

まず、前提として、マンション内には感染者はいない、これからも発生しない。
それでマンションを守るのなら、
それから、定期総会開催時期でもなく、工事関係など急いで決める
ことが何もないというマンションでは、これで耐えていてもクレームは
ないかもしれません。ですが…

東京都では感染者数が2,000人を超えてきました。
人口比では5,000人に1人くらいですよね。そして、特に体調に異変を感じていない
普通の方々は検査すら受けてない状態でですよね。
外国と違い、日本では1月から、もう3か月以上感染の問題は続いています。
まあ、「移す」心配のない人も含め、もう少し感染者は多いはずですよね。

そうです。数百戸のマンションでは、確率的に、1人や2人の感染されている方が
マンションの中におられるとしても間違いではないですよね。
あるいは、これから、マンションの外で感染してウイルスを持ち込まれる方も
発生する可能性があります。情報もなく、「気をつけましょう」ですまして
良いのでしょうか?
でも、先ほどの前提なら、そうですよね。あとで異変があったら、
管理組合の役員の皆さんは突き上げられることになりませんか。
管理会社のせいにしてしまえばいいのですか?
違いますよね。困るのはそのマンションに居住されている皆さんですから…

まず、感染者の情報です。 
勤務先(大手であれば)とか、クラスターの原因の店名などは公表されるようですが、
原則住所は公表されていません。普段通っていたクリニックでも、
その先生は知っているのでしょうが、公表されていませんよね。
外国からの帰国の状況も含め、管理組合(管理会社)もつかめてはいませんよね。
これで、その後、「マンションのエレベーターが原因らしいクラスターが発生」
とかがニュースで流れると…
もちろん、マンション名は公表されないでしょうが、
保健所とかが調べに来られるでしょうから、その時には、後の祭りでわかるでしょう。
実際の感染が始まって、1~2週間後のことになりますが…
管理組合が「知らなかった」ですみますか?数十人単位の感染者になっても?

まず、マンションの居住者についての感染者情報や、外国からの帰国の状況などは、
管理組合として把握しておく必要はありますね。
日ごろから、アンケート等行っているマンションなら、
今回、外国から帰られた方、とか、体調の問題を抱えている方とか、
匿名(棟やフロアくらいは表示してもらう)で調べることもできますよね。
それから、地域の民生委員の方とかには、当然に感染者情報はつたわっていますし、
その関係ができている場合には、把握もできるでしょう。

それから、ですが、管理組合として、ちゃんと情報収集と管理ができるように
しておかないといけません。理事長さんひとりでできることではないのです。
そして、マンションごとに個別の対策を決めなければならないのですが、
「会議室使用禁止」「理事会開催中止」で、いったい何ができますか??

ということで、この場合は、ネットの会議システム等で、
一つの部屋に人が実際に集まらなくても会議が成立するルール作り、
そして、組合内のセンシティブ情報の管理ルール等、決めておかないといけませんが、
こと、災害とかこのような感染症の際でないと具体的に動く方法、内容を
決めないと、事前に想定してもできないことしか決められなくて当然なのです。

そして、事後になって、一部のクレーマー組合員から突き上げられて、
大騒ぎになり、あるいは訴訟問題となって組合側が負けてしまうこともあるのです。
まあ、具体的には個別のセンシティブな問題ですが。
そしてこの、いわば管理組合としての「責任逃れ」が、震災等の大災害があった場合
「復旧のための給付金がもらえない」とか「復旧工事に着手すらできない」という
問題になってくるのです。クレームを言う人は「後のこと」ですから
何でも言えますが、結果住民全体の足を引っ張ってもなんの責任もありません。
それを、避けるためには、管理組合の日ごろからの緊張感と、
住民間の意思疎通を円滑に行える体制づくりが必要なのです。

その上での、管理組合(今回の場合は町内会・自治会等も)なのですが…

続きは次に…



2020年4月10日金曜日

マンションの管理とコロナ禍問題②

コロナウイルスについては、
東京都他に「非常事態宣言」が発令する事態となりました。
そして、感染者が見つかる事例数も急増しています。
それも、多くが「感染経路」不明とされています(当初ですが…)。
しかし、実は、それ以降の情報は開示されていません…

マンション(管理組合)においては、
「三蜜」は避けましょう、と広報しました。
人が集まる施設は閉鎖したし、会議は中止にしたから
これで「当マンションは大丈夫、安心です」…
これで完璧です。
としているところが多いようですが、本当に大丈夫でしょうか?
ここまで、前回書きました。

何が問題なのか?
まず、「自分のマンションには感染者はいない」
「人のマンション内での接触を断っているから、
   新たな感染者は入ってこない」
だから、住民が我慢していたら、そのうち解決する。
このHAPPY ENDを前提にしていませんか?
ということです…

まず、このコロナ禍、実は、いつまで続くかがだれにもわかりません。
現在の感染者の把握状況も、公表されているものは
決して最新のものではありません。

必要なことは、まず…
◎現状の、最新のマンション内の感染者の有無(状況)を把握すること
◎もし、感染者が居住者内に発生したらどういう対応を取るのか
◎必要な「情報の共有」をどうやって行うのか
これらのことをちゃんと決めておかなければいけません。

そして、例えば2020年度に大きな工事を予定した場合、
その準備や進捗をどう進めるかの問題もちゃんと協議しておかないと
あとで大変なことになります。ただ、延期すればすむものではありません。
来年の工事にすれば、費用が大きく上がることもあって、…
内定自体を業者側から取り消されることもあれば、この状況ですから
事業者も仕事を続けることができなくなってしまうこともあります。

総会は?
4~6月に開催されるところが多数ですが、本当に開催できるのでしょうか?
もしできなかった場合、どう対応すればいいのか?

これらのことは、「黙っていても管理会社がやってくれるから…」
「ちゃんと行政からの指示や連絡があるから」
期待してはいけません。あとで「理事長さん、どうしましょう?」
って聞かれるだけになりますから。
もちろん「管理組合」だけではありません。防災組織や町会・自治会だって
事の重大性は別として、同じ問題を抱えています。

これらを、すべて「安心」にできるには、
実は、この機会に、よく話し合って、マンションの中で話し合って
マンション内での方向性をちゃんとまとめ、広報しておかなければいけません。
(もちろん、正式な理事会開催でなくてもいいかもしれません
  その時のために「管理者」の制度が決められているのですから、
     そして、そこはそのマンション内の文化なのですから)

例えば、マンション内で感染者が出たらしい、とのうわさが出たら、
エレベーターは感染リスクが高いと言われていますが…
例えばタワマンで、「エレベーター使用禁止」なんてできますか?
低層階の人は、「すぐに実行するように」と当然言いますよね!

まずは、管理組合の中で、会議が開ける(準、でもいいです)ことの
体制作りです。(今の時代、法令できちんと決められている場合を除き、
別に、全員が一つの部屋に入らないと「出席」に扱えない、なんてことは
ありません)
会議は、複数の会場で同時開催も可能ですし、ネットを活用したもの
も可能です。「誰かできない人がいたら」まず誰かが言います。
そして、多くがあきらめて、すべてを停滞させてしまいます。
実は、仙台で、熊本で、震災復旧に関しても多くのマンションで
問題になりました。あまり大きく取り上げられてはいませんが…

このコロナ禍も近いものがあります。せっかくの機会です。
まずは、マンションで役員を中心に話し合い、正しい情報を
共有できるように、「話し合いを行う」場所(ルール)を作りましょう。

どんなことを決めるのか、何をすべきなのか…
これは、その次に、しかし至急に決めることになるのですが、次回に…