前の文章では、マンションライフは「コストの世界」ではなく、そこに暮らす、そして、そのマンションを持つことの価値を見い出して、そして、それを高めることができれば、
マンションの人気も上昇し(もちろん実現できたマンションだけですが…)、価値も上がる、というか「適正に」維持できるはず、と書きました。
もちろん、ここには、新築物件を少しでも売りたい業者のみなさんの中に、意識はしていないけれど、結果的に邪魔をしているケースが…、という現実もありますが。
たとえば、不動産を取引される方の中には、今でも「修繕積立金が安い」ことを、「いいこと」のように言っておられる方がいらっしゃいます。ですが、その方々は、そのマンションの修繕積立金の残高の開示はせず(求めず)、長期修繕計画も詳細は知らせない、というのが実態でしょう。でも、このことは、実はそのマンションのポリシーにあえて蓋をして、見かけの、現在(だけ)のランニングコストだけで物件を売ろうという姿勢だけなのです。もちろん、中古の市場では、ここの購入者の層は一次取得というか初めて住宅を買う層(少なくとも理事とかを意識して務めたことがない人たち)が多いのではと思いますが。そして、他方で、売却される方にはそれより高級な新築のタワマンなどをはめ込めれば、得られる利益は??
でも、これが、この売買のどちらの層にも、「マンション所有」を「レンタルの延長」として、積極的に管理に参加せずとも、「上手に渡って(買い替えて)行けば理想的な生活ができる」というような「誤解」を育ててしまうのです。
たとえば、この「修繕積立金の水準」にしても、ちゃんと、「毎月の積立金額」「マンションの棟全体の積立金残高」「最近の大規模工事の実績」と、その関連、そして、そのマンションの建物設備の維持にかかるポリシーを示して、売買ができるようになれば(価格にも反映できれば)、当然に管理状況が重要な事、そして、区分所有者の管理への参加意識の重要性が、マンションに住む(あるいは買おうとする)世代の人たちに浸透し、それが、その後の安定した管理ができるマンションにつながる、と考えるのですが…
先日公表された、住宅・土地統計調査(平成30年)では、全国の空家率は13.6%(7軒に1軒)そして、空家とカウントされる条件はかなり絞られていて。田舎の戸建てに限らず、大都市近郊や都心部にもそれほど大きな差はなく分布しているようです。もちろん、賃貸、高経年の比率が高いようですが…
結果として、「長くは持ちたくない」マンションには、多くの空家が生まれてしまいます。設備的に、生活水準についてのアップデートができていなければ当然ですが…
そうです、現実にマンションの適切な管理の大敵は「空家」です。それも所有者との連絡が取りづらい…。これを少しでも避けられるようなプランなどを、これから、書いていきたいと思います。